おもちゃ箱
□紅色の世界で
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「……ッハァ…ハァ…っ…」
私の吐息が響く程静かな世界。
一面が"紅"一色。
何度嗅いでも慣れない、嗚咽を招く血生臭さ。
ゴリ…ゴリ…と死体を踏む音。
ここはもう関ヶ原の世界なんかじゃない。ただの地獄だ。
歩いても、歩いても、此処から脱け出せない。
「み…三成様……ッ」
その声も虚しく"紅"に呑み込まれる。主を求め、足を進めた。
「生きていて……生きていて…」
呪文のように何度も呟く。仲間の死体を横目に、"紅"の世界を走った。
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