夜叉と結界師

□第21話 何が…?
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時音が現場に到着したのは全てが終わった後だった。



「まだ妖が残って!?」



時音はある物体を見て戦闘態勢に入った。

そのある物体とは


まあ見事に全身緑色な片手に木刀の人物。



「良守!なんでコイツ退治しないの!?」



時音がそいつに鋭い視線を飛ばしながら言う。



「ちょっと待てハニー」



「何よ白尾!」



「そいつ妖じゃなくてあの銀髪だぜ」



「は?」



白尾が困りつつも言った。

それに周りにいた斑尾、良守、そして緑色の人物が頷く。



「緑色で悪かったな…」



緑色…の銀時が木刀を腰に戻して言う。



「…な…なんでこんな緑色になってるのよ」



時音が戦闘態勢を解き、明らかに嫌そうな顔で銀時を見る。



「うん…時音ちゃんとりあえずまずその汚いもの見るような目やめようか」



「あ…ごめんなさい。つい」



「さりげなく傷を抉るよね君は」



すっかりどんよりオーラが漂う銀時。

そんなことはさておき、時音は良守にこれまでのことを話してもらった。



〈省略〉



「へえ…なるほど。つまり銀さんが鬼を退治したからあんな緑色に…」



「まあ、そういうことになる」



良守が言う。

時音はそれを聞いて途端に顔をしかめた。

まるで何かを悩むように。



「…良守アンタなんにも思わないの?」



「へ?」



「銀さんアンタの補助があったとはいえ、一太刀で無傷のまま鬼を倒したのよ?それにアンタはなんの違和感も抱かないの?」



時音が緑色の銀時を見て言った。


言われてみれば…確かに。



「はあ…やっと気付いたって顔ね」



「いや…なんていうか銀さん戦闘の時かっこよくてさ…違和感感じなかったっていうか…」



「おいおい、マジか良守」



「今の聞かなかったことに」



「どうでもいいわよそんなこと。そんなことよりも、私前々から銀さんに聞きたかったことがあるんだけど…」



「ん?」



「銀さん…あなた一体なんなの?」
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