Long・雪月花

□02.偶然だった
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「…司令部に報告。名前、配置につきました」

「…こちら司令部、了解」


COMMの音声はまだ若干のノイズが混じっている

私は橋架のすぐ側のガレキの影に隠れていた


見上げると、武装した皇国兵が黒煙で灰色になった空をバックに橋架を警備している

あまりに厚すぎる雲のせいで完全に太陽は隠れてしまい、今何時なのかよく分からない


「…名前、その場で10分程待機」
「…了解しました」

そう答えながら、私は内心文句を言っていた

敵であふれかえっている場所で10分も待機とか…


私はバレずに10分間生きていられるのだろうか




それからの10分間は永遠のように感じた

皇国兵が私のすぐ横を通り過ぎていく


私の心臓は口からでちゃうんじゃないかってくらい大きく動いていた


私が周りの空気の緊張感にもう我慢ができなくなってきた頃



その爆発は、突然起きた


「…!!来た!!」
耳をつんざくような爆音と共に橋架が崩れ落ちていく

私は素早く立ち上がり、自分の武器である短剣を構えた…



…ハズだった




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