Long・雪月花
□03.幻の0組
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「えー?!0組に会った?!」
リフレで大声をだしたのは、私の数少ない友達のカルラだった
クラスが違うのに友達なのは、私の9組の友達の友達だから
友達の友達は友達方式で知り合った、というやつだ
「こ、声大きいよ」
「だってあの幻の0組よ?!すごいじゃない!!」
彼女の多少強引なところも手伝って、人見知りな私と親友と呼べる域まで仲良くなっていた
私は彼女のこういうハキハキしたところがすごいな、なんて思っている
「で、その人の名前は聞いたの?」
「うん…エイトくんって言うんだって」
おおっ、という感嘆の声と共にカルラはカフェオレを少し飲んだ
白い湯気が浮かんで消えた
それから目を輝かせて身を乗り出す
「奥手な名前にしては頑張ったわね!!そんなにかっこよかったの?!」
「…うん」
返事をしたら、カルラが口をぽかんとあけた
「…まさか名前がそんなに積極的になるなんて」
「どういう意味?!」
私が口を尖らせると、彼女はすねないのー、と言って私の頭をくしゃくしゃ撫でた
今日は水の月19日、あの地獄のような解放作戦から一週間がたっていた
魔導院の設備も徐々に復旧してきて、次の戦いへ向けて準備は着々と進んでいた
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