Long・雪月花
□08.レコンキスタ
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岩の月1日
やけに静かな魔導院のリフレで、私はナギにこの前怒鳴ってしまったお詫びをしていた
「本当になんでも食っていいんだよな?!」
チョコパフェの生クリームを鼻の頭につけながら私に問うナギ
「うん。この間はごめんね」
私が謝罪の言葉を言い終わる前にナギはよっしゃーっと言ってパラパラとメニューをめくる
そして容赦なく注文していく
ここぞとばかりに…っ!!
きっと私の顔はひきつっているんだろう
たくさん頼んだ料理を一通り食べ終えた後、未だ鼻の頭に白色をのせながらキョロキョロと周りを見回しだす
そして一言
「人の少ないリフレってちょっと珍しいよな」
「…っていうより、こんな大規模作戦に私達が参加してないってことの方が珍しいよね」
本日、朱雀はこの前取り戻したマクタイの街を拠点にルブルム地方を取り戻すべく大規模なエリア制圧戦を実行していた
「候補生部隊なんての作って投入してんだろ?」
「うん。″お膝元″はしっかり奪還しないと、ってことでしょ?」
だけどアギトになるために候補生やってる私達に出撃命令が下るだなんておかしな話だ
「この分じゃあ大反攻作戦の可決は間違いないかもねぇ」
「…ちょっ…!!」
小さい声とはいえこんな公の場で最重要機密をポロッと口にだすナギ
「大丈夫、聞こえてないって」
慌てる私を尻目にナギはドーナツをひとかじり
…このマイペースめ…
「聞こえてるが?ナギ」
突然上から降ってきた言葉にびっくりして、2人そろって声の方を見ると…
「「た、隊長っ!!」」
眉根をひそめて腕組みした隊長が立っていた
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