Long・雪月花
□10.″編入生″
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昼休み。
教室の端の方に座っていた私は、講義が終わった途端すぐさまリフレへ行こうと思って席を立とうとした
立とうとした、ら
0組の女子に囲まれてしまった
私は泣いてしまいたい気持ちだったが、まさかそんなことはできないので、着席。
完全に包囲される形となって、現在に至る
「はいはーい!私シンクっていうの。よろしくねー」
ふわふわした感じの子…シンクの自己紹介を皮切りに次々と自己紹介をしてくれる
そして最後に黒髪の人
「私はクイーン。そして…あの子がサイスといいます。0組へようこそ、名前」
一人だけ少しはなれたところで興味なさそうにそっぽを向いている人も紹介してくれたクイーンはかなり知的な感じの人だ
「…よろしく」
またもやぼそぼそっと話してしまう私
これで会話は終了、リフレへ行こうと思ったら
「あれあれー?名前たん元気ないのー??」
…どうやら逃がしてはくれないらしい
「きっと緊張してるんですよ。ね、名前さん?」
優しい感じの…えっと、デュースだっけ…が助け舟をだしてくれたのでなんとなく頷いておく
ていうか…
「…たんって何?」
「んっとねぇ、これから名前たんって呼ぶからよろしくー」
あ、ニックネームね
ニコーっと笑って言うシンクにクイーンがこら、シンク。困っているでしょう、と言っているけれどシンクは聞く耳持たず
そんなやりとりを聞いて、なんだかほっとしている私がいた
もしかして…もしかしたら
この人達と笑いあえる私になれるかもしれない
なんて思いながら0組女子メンバーを見ていたら
「名前があんま喋んないのってぇー、緊張だけじゃないでしょ〜?」
そう言いながら、金髪でオールバックの男の子が近づいてきた
のんびりとした話し方がよく似合う笑顔で女の子達に囲まれている私の机の前までやってきて、少し腰を折って私と目の高さをあわせる
なにがなんだか分からない私はそのままフリーズ
「えっ?!なになに、どゆこと〜??」
シンクが興味深々ってかんじで男の子につめよる
男の子は少しためを作ってから
「だってぇ、名前はエイトのこと好きなんでしょ〜??」
小声で、だけれど確かに
言い放った。
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