Long・雪月花

□10.″編入生″
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■□エイトside□■

昼休みに入った途端、名前は女子達に囲まれていた

その様子を横目で見ながら俺は教室を出る


廊下を歩きながら自分自身に平常心だ、と言い聞かせる

まさか編入生が名前だったとは…
ジャックになにか言われそうだな

未だ収まらない頬の熱さを振り払うように、肩で風を切ってリフレへと向かう


この頬の熱さの理由を悟り始めている自分がいた…






■□アレシアside□■


魔法局のとある一角
人気のない静かな廊下で、窓から漏れる夕日に照らされながらキセルをふかす人影が一つ

その表情はいつになく厳しいものだった


議会の決定により、9組からの″編入生″を0組に迎えることになった

最後まで反対したが、議会という体系上1人では押し切られてしまったのだ


そこまでして反対した理由は1つーーー


″編入生″は彼女にとってイレギュラーな存在だからだ

たった1人の人間に、自分のこれまでの努力を無にされたらたまったものではない
それゆえに彼女は苦々しく空を見つめている


「今回はどこまで行けるのかしら…私の子供たち」

小さく呟き、白い煙を吐き出した




思惑が交錯する




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