Long・雪月花
□11.予兆
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その日の昼休み
リフレで私はカルラからの質問攻めをうけていた
クリムゾンのことには触れずに説明するのはなかなか骨の折れる仕事で、
かれこれ10分間この調子である
「エイトくんとはもう話したの?」
「うーん…まだ」
「なんでよーっ!チャンスじゃない!!」
2人きりになったらこうする、とか業後はこうするべきとか
たくさんのアドバイスをくれるけれどもちろんできる気がしない
そのとき、熱心に語るカルラをぼーっと眺めている私を覚醒させる電子音が耳元で鳴った
「あ、COMMが鳴ってる」
「え?あぁ、 」
まだ喋り足りないという不満げな顔ながらもカルラが黙ってくれたので応答する
「はい…名前です」
「名前、エースだ。マザーが次の検診は名前だって呼んでる」
魔法局のマザーの部屋に行け、と短く用件だけ話して連絡は切れてしまった
エース、エース…
あ、いつも前の方の席に座ってる優等生っぽいあの人か
「カルラ、悪いけどまた今度ね」
そう言って席を立つ
「え?ちょっと名前!まだ終わってな…」
「ごめん!」
パンッと顔の前で両手をあわせると、カルラはしょうがないわねぇ、と言った
「ありがとう」
話をわかってくれるいい友達をもったな、なんておもいつつ私はリフレを出た
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