Long・雪月花

□13.トゴレス要塞
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自慢ではないが一応9組に所属していたので、ある程度の機密事項は知っているハズだった
けれど…、

目の前の遺体とケイトの手を繋ぐ赤黒いナニカを見つめる
遺体はナニカに引かれるように軽く宙に浮いていた


こんな魔法は見たことも、ましてや聞いたこともない


全身に悪寒が走る
今にも逃げ出しそうな体をなんとか理性でおさえつける



次の瞬間、ケイトが遺体にかざしていた手を体に引くようにして宙を切るとそれは消滅して、トゴレス要塞の床を赤黒く染めた

その中からは白い光が飛び出して、そのままケイトへ吸い込まれて消えた



私は…目の前で起きたことの処理が追いつかずにただ突っ立っていた
「これが0組に科せられてる、ファントマ回収」
ケイトは淡々と喋る

その制服には返り血がいくつかついていた


「呪文はさっき教えたとおりだから、ミッションの途中でちょくちょくやっといてね」



あっけにとられていて頷くのが精一杯だった





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