Long・雪月花

□14.此処にいる理由
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「インビジの完成まで少し時間を下さい。みなさん全員にまとめてかけますから、完成したら一カ所に集まって下さい」

《一カ所に集まるのは危険だな。他にやり方はないのか?》
セブンの声が響く

「…すみません」

確かにこの銃撃の嵐の中で一カ所に集まるのは危険すぎる
だけど私にはこの問題を解決する方法がない

どうすれば…


《しゃーねーな、俺がセーフティーガードやってやる》
そしたら集まれるだろ、とナイン

《そうしよう。名前、完成したら合図を送れ。その後、ナインの元へ集まる》
キングがまとめて、作戦が決まった


ものすごい判断力
さすが0組といったところだった



「…では、始めます」


私は全神経を指先に集中させる
大丈夫、インビジは私の十八番だ。
集中、集中…

最高位のインビガを発動すべく魔力を練り上げる
汗が一筋、頬を伝った



直後、後ろからものすごい衝撃。
背中を預ける瓦礫がもう耐えきれない、と悲鳴をあげる

まだ完成していないのに…っ




「ウォール」



キンッという音と共に透明な壁が私の後ろに出現した


「サポートは任せて!」
見上げると、レムがいた

私は一つ頷きまた集中する


ひとつひとつ、言霊を丁寧に発音していく
大丈夫、間違えない
何回も繰り返してきた言葉

何度も私の命を救ってきた、魔法。




指先に見慣れた白緑色の光が集まった



「…完成しました」
確かな声で言った。





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