Long・雪月花

□15.シュユ卿
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外縁部をキングとジャックの後ろについて走る
インビジも解けてしまったので皇国兵によく見つかるが、二人がすぐに倒していくので私の出番は魔法での後方支援しかなかった

頼もしすぎる。


「レーダーに映っている機密文書のエリアまでもうすぐだ」
気を引き締めろ、とキングは言った

「りょ〜か〜い!」
「は、はい!」

なんだか緊張してきた
二人の足を引っ張らないようにしないと…

私の心臓がまた早鐘を打ち出した
緊張でガチガチに固まってしまった私を見て。


「あははは!名前、そんなに緊張しなくてもだいじょ〜ぶだよぉ。僕たちがついてるからさ」
ねぇ、キング?、とジャックは言った
「…何を気にしてるかは知らんがお前は少し自分を過小評価する癖がある」
そこまで静かに言葉を紡いでキングは口を閉じた

自信を持て、と。
そう言っているのだろうか

「…はい」


「それじゃあさくっと回収して終わらせますかぁ」
ジャックがのほほんと言ったとき、突然COMMが電子音をたてた


《シグナルの1つが北の森に向け移動中。機密文書の処理は、いかなる事態にも優先されるわ。急いで!》
《なんですって?》
《おいおい、どうゆうことだコラァ!》
COMMからクラスメイトの動揺が聞こえる

私とジャックが顔を見合わせる中、キングだけが冷静だった


「…俺が先に向かう。目標回収数を達成した班から合流しろ」

一人で向かうってこと?
それは危険すぎる。


そんな私を余所目にCOMMからは次々と了解の応答が返ってきた

「ジャック、名前。すぐに合流しろ」
「いえっさ〜!」


そう言うとまだ迷ってる私を引き連れてジャックはその場を後にした





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