Long・Fatalism

□3rd.zidane's resolution
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名前ちゃんを半ば抱えるようにしてオレは裏路地へ行った。
ひとまずしゃがませる。
目の前の怯えたように震える女の子は誰かに助けを求めている。
そんな気がする。
そして、今、助けてやれるのは…
オレだけだ。
「なぁ、名前ちゃん?どうしたんだよ?」
「オレがいるから」
「オレが守るから」
「もう、大丈夫だぜ?」
次の瞬間。
ふ、と。
名前ちゃんと目があった。

どうしようどうしよう。
私はまた人を傷つけてしまった。
私がいたから。
私のせいで…!!
ジタンさん、ジタンさん…っ!
「……ら」
「……から」
??
誰か喋ってる…?
「…、大丈夫だぜ?」
声のする方を向けば。
ジタンさんが優しく笑っていた。
「じ、たん…さん?」
私が名前を呼ぶと、その人は安堵の笑みを浮かべた。
そして、さらに優しく笑って、
私の頭を撫でてくれた。
何度も、何度も。
私の震えが収まるまで。

だいぶ震えが収まった後、ジタンさんは私の隣に座った。
「名前ちゃん、どうしたんだい?」
突然取り乱した私を責めるようなことは一切言わずに。
ただただ、心配そうに聞いてくれた。
大丈夫なのかな?
怪我とかしてないかな…?
「ジタンさん、怪我は…?」
「ん?してないぜ?」
このとおりピンピンしてらぁ、と。
「だから、話して楽になるのなら話してくれないか?」
そう言うジタンさんは本当に怪我はしていないみたいだった。

この人なら?
この人になら、話しても…
いや、ダメだ。
とってもいい人だから。
こんなにいい人を巻き込んじゃ…
そのとき。
ぽんぽん、と。
ジタンさんがまた私の頭を撫でた。
そして、にこっと笑って。
「そんな悲しそうな顔、似合わないぜ?」
そう言った。
…あぁ、ダメだ。
出会ったばかりで全然話したこともない人に打ち明けるのは馬鹿かもしれない。
ひかれるかもしれない。
話したら、去って行くかもしれない。
でも。
だけど。
もう、限界だった。
ひとりは、つかれたよ。
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