短編
□おめでとうございます。
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五月三日。
俺の誕生日まであと二日。
世間はGW(ゴールデンウイーク)
なのに俺はと言うと学校で答案用紙とにらめっこ。
俺の受け持つクラスの成績が悪すぎるからテストしてみたんだが
間違いだった…。
俺がしんどいだけだった。
そういえば昨日の朝斎藤が
「何か欲しいもんあるか」
的なことをいっていたが、あれは
俺の誕生日プレゼントのことだったのか?
「はあ…」
何か考える前に手を動かそう。
すらすらと赤ペンが滑る。
でも、俺のあたまん中はあいつのことばっかりだった。
「ああああああ!!!!!
もうやめだあああああ!!!」
「どうした?トシ」
「なっ////なんでもねえ」
勢いで叫んじまった。
時計は午前11時。
斎藤に電話でもかけてみるか。
ピーンポーン。
「はーい。」
ガチャリ…。
少し控えめにドアが開く。
「よ…」
「どうも…」
こいつの私服なんて久しぶりに見たな。
けっこう、可愛い格好してんじゃねえか。
「すまねえな。」
「いえ。ちょうど暇していたところですから」
リビングに入ると一見殺風景な
光景が広がる。
机とベット、それにパソコンと
本棚にたんす。
無駄なんて言葉が似合わない部屋
「お昼まだですか?」
「あ…ああ」
あいつはエプロンを手に立ち上がった。
「おい、別に長居するねえぞ」
「でも…ここで食べていかれたら
食費が浮きますよ」
・・・そんなことといって本当は
俺に少しでも長くいて欲しいんだろ?
「土方先生?」
「!?…なんでもねえよ」
俺の誕生日まであと二日
つづく。。。