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□【2014斎藤生誕祭】新たな一歩を踏み出すために
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【2014斎藤生誕祭】新たな一歩を踏み出すために


高校3年の冬休み。
センター試験まで一ヶ月を切った、僕は土方さんや近藤さんと同じ教師になるために大学へ進学することを決め毎日を勉強勉強勉強勉強勉強勉強…っと過ごしている。
でも、今ままで遊び続けていた僕にとっては一時間だって机についていることがむずかしい。最近やっと慣れてきて真面目に勉強してる。


クリスマスの日、はじめくんとデートしたときのことを勉強してると思い出す。
あの日はじめくんはとっても重要な話があると言っていつもの小難しい表情の中に少しだけ淋しさを見せながら僕に告げた。


"俺は県外の大学へ進学する、だから総司と同じ大学には行けない。"

もちろんショックだったよ、僕もそこを受験する…っと言ったら嬉しいとだけ答えてくれたけど大学の名前を聞いた時僕には無理だと知った。
今まで勉強してなかった僕が悪いんだけどね。自業自得ってやつ、はじめくんが受験する大学は誰もが知ってるような有名な難関大学。

僕には到底受験なんてできない、100%落ちる。
高校に入る時だって剣道の腕を認められて近藤さんに引き抜かれて薄桜学園に入った。だから受験勉強なんてしてなかったし、入学してからも勉強しなかった。する気も起きなかった…。









今日は12月31日。世に言う大晦日。僕は朝から掃除して勉強中…

(明日はお正月、新しい年がやってくる)

1月1日…ねえ…ん⁇…1月1日…



「はじめくんの誕生日‼︎‼︎‼︎」

急に立ち上がってせいで勢い余った椅子が大きな音を立てて倒れる。
その拍子に机の上の湯のみが転けてノートを濡らすけどそんなこと目に入らなかった。

それよりも…

すっかり忘れてた、クリスマスのあの一言が脳裏から離れなくて…うわー、誕生日忘れるなんて彼氏失格じゃん‼︎…なんにも用意してない…。

僕はチラチラと小雪が舞う外へ目を向けた。



(今からならまだ間に合う)

幸いまだお昼の2時を少し過ぎただけだ。

(君と離れ離れになってしまう。来年の誕生日は君と過ごすことなんてできないかもしれない)

僕はダウンジャケットと財布とスマホだけ持って外へ出た。

吐く息が白い。
ネックフォーマーを口元まで引き上げる。

スマホのディスプレイには夏に君と行った海の写真、慣れた手つきで電話をかける。


「もしもし⁇はじめくん⁇」
『総司⁉︎…慌てているようだが…何かあったのか⁇』
「今から行ってもいいかな⁇」
「今からか…別に構わないが…』


聞けばはじめくんの両親は帰省中とのこと…チャンスだね…。







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