短編

□エイプリルフールだよ♪
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4月1日
『今日はエイプリルフールですね』
『そうですね』

テレビでアナウンサーが話している。

(エイプリルフールか…)









「おっはよう。一君」
今日も遅刻か。
「ああ、おはよう。沖田総司、失点1」
「つれないなあ。あっでも、確か今日はエイプリルフールだから失点も嘘だよね。」
「失点2にされたいのか」
「したければすれば。」
「では、沖田総司失点2」
「ほんとにしちゃったし」


すらすらっと名簿に書きつけていく







「そうだ、今日ね朝平助に会って『左之さんが平助のことなんか大っきらいだ』っていってたよなんて言ったら真に受けちゃってさ『ホントの話!?』なんてさあわてちゃって。おなか抱えて笑っちゃった。」


平助の動揺する顔と総司の楽しそうな顔が頭に浮かんでくる。



「エイプリルフールだからってついていいウソとついてはいけない嘘がある」




と、思う。



「そう?僕は楽しいから別にそんなこと気にしてないけどな」



まったく総司は。自分勝手というか…。


「お前がよくても、平助にとっては言われると言葉にはしにくいがこう……」




なんて言えばいいのだろう。





苦しい?いや…傷つく?





愛している人が突然自分のことを嫌いになってしまったら…。




「…。」
「何が言いたいの?一君」
「だから…。」
「うん」
「俺ならば、いやだ」
「は?」




「好いているやつにいきなり【嫌いだ】などとうそでも言われるというのは嫌だ…と思う」



「…。」

「総司?」
「それってさ」
「ああ」
「僕のこと大好きってこと?」
「は?」

今度はこっちが何を言っているのか分からなくなる。
一体、今の俺の言葉とどういう関係があるというのだ。









「とにかく、エイプリルフールだからって一君には【嫌い】なんて嘘言わないよ」

「はあ」

すっぽりと総司の腕の中にはまる。






















「総司」
「ん?」
「好きだからな」
「え?ほんと?うれし♪」
「嘘だ。」
「えー」
「今日はエイプリルフールだろう」







END
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