短編

□とある朝
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【とある朝】

「おはようございます!!土方さん!!」


朝、俺の家。

「ん、はよ」

朝がとてつもなく弱い俺のために毎朝欠かさず斎藤が起こしに来てくれる。
毎日起こしに来るのって大変だろう?同性と化したほうがいいんじゃねえかって前に聞いたらお断りしますって簡単に振られた。俺たち、付き合ってるはずなんだけどな。


「朝ごはんできてますからね」
「あ、ああ」

そういえば朝ごはんも作ってくれてるんだっけ?
こいつと付き合う前は朝飯なんて食ってなかったけどそのこといったら
健康に悪い
とか、
もっと、自分の体のことをいたわってくださいとか言われてしまった。

まあ、こいつの料理の腕はすごいから毎朝少しは期待してんだよな。


「そういえば、今日こそは早く来てくださいね。今月は、もう二回も遅刻していらっしゃるんですから。先生なのに生徒に示しが付いてないじゃないですか。」
「うるせえな。今日こそは遅刻しねえよ。遅刻しねえためにお前に毎朝来てもらってるんだし」
「でも、遅刻してるじゃないですか」
「まあな…」


ああ、耳がいてえ話だな。

朝が弱いんだよ。とぼやいてベットから立ち上がった。
時計はすでに七時三十分。そろそろ家を出なければ遅刻してしまう。


「おい、斎藤」
「はい」

部屋の隅に置いてある椅子に座っていた斎藤が驚いたように顔を上げた。

「あと、20分くれえしか一緒にいられねえんだし。もっと近くに来いよ」

「っ///////」

すぐ赤くなっちまうんだから。

「とっ…とにかく、早く朝ごはん食べてくださいね。遅刻してしまいますから」

くるっと後ろを向いて階段を下ろうとする。

「待てよ」

半ば強引に腕を引っ張って俺の腕の中に収める。
そういえば…着替え中だったな…。

「ちょっ…土方さん!!」

上半身裸に気がついて腕から抜け出そうとする。

「たまには甘えさせろよ」
「いつも甘えてるじゃないですか!!」

斎藤には見えないように首筋にキスをする。

「ひあ…やめてください。離してください!!」

やっとのことで俺の腕の中から抜け出した斎藤は手短にあったクッションを投げつけて走って学校に行ってしまった。

「ったく」




















「はよ」
「おはようございます」

本日二回目のおはよう。
朝からきりっとしてるよなあ。
俺なんか眠くて眠くて…。
「さっきがうそみてえ…」
「さっき?」

やばい…殺気が…

思いっきりにらんでくる。

「いや…なんでもねえよ」
「困りますね…おじさんは独り言が多くて」
「ああん?」
「いいえなんでもありません」

ああ、そういえば。

「弁当忘れた」
「とおもって持ってきてますよ。あなたは、いつも忘れますから」
「わりい」














とある朝。

































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