短編

□本当の本当
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【本当の本当】


俺は総司と付き合って三年になる。今は同居で、最近帰りが遅い…仕事か…はたまたどこかで暇を潰しているのか…。

まさか、ここに帰るのが嫌になったのか…。



「ち…違うよ!!残業だよ!!」
「そうか…」

嘘だとしても信じたい。嘘ではないと。












即日、冷蔵庫の中の牛乳を斬らしてしまったため買い出しに出かけた。人ごみの中で総司を見つけた。
今日は早く帰ってくるのだろうか…。それともあんなことを言ったから気にかけてくれたのだろうか…。



「総っ…!!」



そんなことを思いながら名前を呼び掛けて固まった。若い女と楽しそうに歩いている。

一瞬仕事だと信じようとした。
そうだ、仕事で一緒の女…。



「…っ…」

いや、普通に着飾った彼氏とのデートに見える。
そういうわけで今日は牛乳を買わずに帰った。



















「ただいまー」

総司が帰ってきた。
リビングに入ってくる。冷蔵庫を開ける。


「今日は肉じゃがなんだ」
「総司」
「ん?何」
「こんな風に責めたくはないのだが…浮気しているな」
「っ…はははは…どうして?」
「みたんだ」
「そっか…ごめんね、ちょっと魔が差したんだ…ごめん」



そういってうなだれた。


驚いた…正直に認めるなんて。
屁理屈を並べるものだと思っていた。



「で、でも!!一君が一番だよ!!」
「…本当か?」




「本当に本当!!」






総司はそのあとあの女が愛人だったということを打ち明けた。
正直に言ってくれたことだし次はないぞと許すことにした。
それから日曜日に買い物に行く約束をした。











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