長編

□会いたくて苦しいよ第二章
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【会いたくて苦しいよ】




『一君?どうしたの?調子でも悪いの?』

そんなことはない。

それより、お前は誰なんだ?
何故俺の名前を知っている?



どこかの家の縁側に腰掛けて俺に声をかけてくる男。
顔は見えないが声は聞こえる。心の中に直接響くような暖かくて懐かしい声。


あんたは誰なんだ?

『?僕のこと忘れちゃったの?』

忘れるも何もあんたは誰だ…。

『忘れないでいてよ。僕のこと…』

だんだん薄くなっていく風景に必死で手を伸ばした。


待ってくれ!!俺はまだ!!




























「待って!!…」

目を見開けば見なれた天井。と、精一杯伸ばした手。
肌がじんわりと汗ばんでいる。気持ち悪い。


またあのゆめ…怖くはないが、懐かしいような気持が広がる。
一体あいつは誰なんだ。


♪〜


聞きなれた着信音が俺の思考を停止させた。

画面には沖田総司。



「もしもし」
『ああ、一君?僕だよ』
「いわれなくても画面に書いてある故わかる」
『そう?まあ、そうかもね。それよりさ、今日も放課後あいてる?』
「また昨日のようなことをするのか?」
『違うよ。とにかく授業終わったら迎えに行くから』
「はあ」
『じゃあね、あと、おはよう!!』
「ああ、おはよう…」



なんだったんだ。沖田総司は。
とにかく学校に行く支度をしなければ。





次にあの夢を見たときは絶対にあいつが誰なのか突きとめてやる。

























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