短編
□それだけで…
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屋上。
遠くまで見えそうで見えないけどフェンス
のそばまできて下をみるとさすがに怖いかなって思う。
ヒューって風が吹き抜けて初夏の訪れを感じるくらいの暖かさがある。
校庭では男子がキャッチボールしてる。
「なにしてるの」
突然の声
総司だ。
「…別に」
「にしても、この学校の屋上って高いよね。
落ちたら即、死んじゃうよね」
《シネル。コノカナシイセカイカラ
ニゲラレル》
「おーい。はじめちゃん?」
「…なんでもない」
この高い屋上の上から一ちゃんは何を思っていたんだろう。
たんに、涼しいなとか天気がいいな、とか?
「総司」
「ん?」
「私は…総司に出会えて本当に良かったって
…心から…思ってるから」
「…」
別れのあいさつ?
「総司にはいろいろ迷惑をかけたな」
「そんなこと…ないよ」
つづく。。。