桜音
□第1夜
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『ここが京か・・・』
と、呟きながら月明かりが照らす道を一人、少女は歩く。
「おいっ、そこのガキ!」
あたりに広がっていた静寂は、不意にその男たちの声で破られた。
「いい刀持ってんじゃねぇか、俺様がお国のために使ってやるからよこしやがれ!
てめぇみてなガキには勿体ねえよ!」
『・・・無理、なんであんたらに俺の刀渡さなきゃなんねぇんだよ』
この刀、うちの家に代々伝わる宝刀なんだっつの、渡せるわけねぇだろうが。
こいつらアホなんじゃね?
「んだと、このガキ!さっさと渡せばいいものを、後悔するぞ!」
やっべ、キレたw
男たちは刀を抜いて迫ってくる。
こういうときは・・・
『逃げるが勝ち!』
「なっ、待ちやがれ!!」
刀振り回して追ってくんなよ、アブねーじゃねーか。
とか思いつつ、急いで物陰に隠れ、様子をうかがう。