その他
□意識しちゃうから
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そこは何度か訪れた場所だった。
ただ一つ違うのは、2人の男が行為に及んでいることだ。
「…っ…あ、巽…ぃ…」
「…っ、ほらほら都筑さん、泣かないで下さいよ…」
巽が指で都筑の涙を優しく拭ったが、都筑の涙は止まることを知らず次々と流れてくる。
「…だって、そんな…恥ずかしい…!」
「何故です?ここにはあなたと私しかいませんよ?」
耳元で冷静に囁く巽の声に意識が遠のいて行く。
「…はっ…嫌だっ…、巽…!」
床に脱ぎ散らかされた2人のスーツが遠くに感じた。
「恥ずかしい人ですね…っ…あなたは…!ここを、こんなにして…ッ…」
「…巽…ソコ…ダメ…ッ…!」
「…動きますよ、都筑さん…」
「っ、あ…嫌…嫌だああああああああああッ!」
「…っ…!」
そこで目が覚めた。
「…はぁ…はぁっ…」
呼吸が上手く出来ない。
汗で服や髪が身体に貼りついて気持ち悪い。
心臓がうるさく響いている。
何より――…、
「…なん、で…巽と…あんなこと…!」
(巽は俺の友達で、同僚で…)
「うわあああああ!今すぐ首吊りてぇ!」