ガンダム00

□赤い天使
2ページ/7ページ

「アレルヤが宇宙にあがったか・・・」
エンジェルのコンテナのレストルームで、僕は話していた。
「人革の新型MS性能実験の監視・・・場合によっては破壊もありうる・・・」
「刹那は?」
「もうすぐ、こちらに着くとのことだ。」
「・・・そう・・・か・・・?・・・・・・・?」
なんとなくだが、アレルヤの身になにかあった気がしたのだが無視して、エンジェルをみることにした。
端末が鳴る。刹那からの暗号通信だった。『もうじき着陸する』という内容だった。
「二ール、刹那が来るぞ」
「了解。行くぞ」
「ああ。」

やっぱりニールと話していると(特に二人きりのとき)緊張する。マジやばい。今度トレミーに帰ったときにクリスに相談しよう。作戦に差し支えたらいけないからな。
「おかえり、刹那」
「ああ。」
「タリビアのほうは?」
「問題ない」
こうしてフツーに会話できるニールと刹那が僕はうらやましい。まあ・・・僕が女で刹那が男という違いがあって、同性とはなせるというだけだが。
今度は皆の端末が鳴った。同時に、僕は頭が痛くなった。ニールが心配そうな顔で僕の顔を少し見るが、僕は微笑未満の笑みで返事をして、端末を開く。
『諸事情により、ミッション変更』というのが内容だった。
「よし、刹那はエクシアで指定ポイントで待機。俺たちは着替えてから指定ポイントへ向かう。」
「了解。」
「いくぞ」
「あ・・・ああ」
「なぁニール」
パイロットスーツに着替え、僕たちは各々のガンダムに乗り込もうとしているときに、聞いた。
「本当にやるのか?任務外のことを。いくら人命救助とはいえ、ヴェーダが推奨したミッションをやらないって・・・」
『きっと、ミス・スメラギは人命も救うが、もう一つのものを守るためにプランを変更したんだろうに』
「・・・ガンダム・・・」
移動中に、僕は考えた。何故頭が痛くなったのか。それと同時に起こった低軌道ステーションの分離。そして・・・
「何故、僕は人間についてここまで不思議になるのだ・・・?」
まさか僕はヒトじゃない・・・?
そう考えているうちに、指定ポイントに着いた。
『チェンジ、GNコンデンサーを押さえてろ。これから少し狙い撃つからな。』
「了解」
高濃度圧縮粒子がチャージされ、ニールは上空に向かって撃った。
『狙い撃つぜ!!』
撃ち終え、またチャージを始める。そこに雲が覆い、それを刹那が切り裂き、また撃った。
「ニールお疲れ。」
『ロックオン狙イ撃ッタ×2』
「ああ、ありがとよ」
まただ。またドキドキしてきた。
「あ・・・ああ。僕、ヴェーダに提出する報告書かいてくる!」
ああ・・・ああ・・・マジやばい。ホント・・何なんだろうな、この感情。


***


「チェンジ、お前に新装備が届いたぜ」
「なんだ?」
「こいつだ」
『コンニチハー!』
・・・?緑色の球体。・・・なんだこれ。
「独立IAの『ハロ』だ。俺のと紛らわしくなるから、名前付けとけ。」
「・・・む・・・。・・・!ネロ。」
「ネロ?」
ニールが不思議そうに緑色のIAを覗き込む。
「ああ。そうだ。コックピットの中のポットにこいつを入れるだけだ。」
そういえば僕のコックピットにはポット(のようなもの)があったな。それにこいつをいれるのか。どのような働きをしてくれるのだろうか。
「こいつはお前と一緒にエンジェルに乗り込み、お前をサポートする。ファンネルモードとかも使えるぜ。」
ファンネルモードとは、エンジェルの空戦用ユニットだ。陸戦などにもモードきちんとモードがある。ちなみに、陸戦用はディカルモード、水中戦用はディヴァールモード、宙戦用はシュールモードである。今回は、陸戦が主なので、ディカルモードの使用を指示された。
「ふーぅん・・・僕は気に入ったな。じゃっ、よろしく頼むぜ、ネロ」
『了解、了解』
その後、刹那も来て、新装備・セブンソードを渡し、ティエリアやアレルヤと合流した。
ミッション内容は、モラリアとAEUの合同軍事演習えの武力介入作戦。
『後方注意、後方注意』
「了解。ネロ、他は?」
『大丈夫、大丈夫』
「エンジェル、目標を撃ち落とす。ネロ、ディカルモード!」
『了解、了解』
ショートキャノンで五機落とした。その後はデュナメスの援護が僕に与えられた任務だった。
どの位たったのどろうか。デュナメスの援護をしているとき、刹那の様子がおかしいことに気がついた。
「ロックオン。刹那がなんかおかしい。」
『ん?・・・っ・・・!?』
次の瞬間、刹那はコックピットを開けて、出てきた。
「う・・・嘘だろ・・・!?」
『敵に姿を・・・晒した・・・!?』
そして、敵のパイロットも出てくる。僕がその姿を見たとき、驚いた。
「なっ・・・アリー・アル・・・・・・・サーシェス・・・!?」
かつて所属していたアザディスタン軍で要注意人物と聞いていた、あの傭兵の男だった。
***
刹那がコックピットを開けてサーシェスに姿をさらした後、二ールのフォローで二人を離した後もミッションは続いた。
『無条件降伏を信号で確認』
「了解。」
無事にミッションは終了した・・・筈だが・・・
「殴られた理由はわかるよな?マイスターの情報は太陽炉と同じSレベルの守秘義務だ。」
刹那が二ールに殴られていた。戦闘中にコックピットを開けたことに関して言われている。
「何故敵に姿を晒したんだ?刹那!!」
刹那は何もいわない。事情はなんとなくわかる。かつて、自分を指導したあの男の存在を確かめるためだと思った。なんでわかったかは疑問だったが。
僕はその疑問を投擲して、刹那たちに視線を戻す。
ティエリアが歩み出てきた。
「言いたくないなら言わなくていい。」
ジャキッという音がした。銃の構える音がした。
「君は危険な存在だ!」
「やめろ、ティエリア!」
「そうだ!せめて事情ぐらい・・・」
「彼の愚かな振る舞いを許せば我々にも危険が及ぶ可能性がある!」
「・・・俺は降りない!俺は・・・ガンダムマイスターだ!」
刹那も銃を構える。
「ちょ・・・まっ・・・!」
「やめろ、二人とも!」
「以前命令違反をした僕がいうのもなんだけど!僕たちはヴェーダによって選ばれた存在だ!刹那がガンダムマイスターに選ばれた理由はあるはず!」
「なら見せてほしい。君がマイスターである理由を!」
「生きている・・・」
「何?」
「俺の存在そのものが理由だ・・・俺は・・・生きているんだ・・・」
「刹那・・・」
無差別テロのニュースを聞いたのはすぐのことだった。
「テロだと!?イアンさん、それは本当ですか!?」
人の多く集まるところを多く狙われ、犠牲者多数と聞いた。あまりの衝撃であの時のことを思い出した。声も出なかった。
「そんなことで我々が武力介入をやめると思っているのか?」
「なんだとティエリア!!」
「正気か!?本気で言ってるのか!?」
「一般人が犠牲になってる!!なんとも思わんのか!?」
次に出てきたティエリアの言葉は想像を絶する言葉だった。
「思いません。」
「貴様ッ!!」
「どうしたのですか?いつも飄々としている貴方らしくない態度ですね」
「なんだとッ!?」
「そんなにテロが憎いですか?」
「テロが憎くて悪いか!?」
多分ニールの頭の中でもあの日の映像が流れている。もちろん僕もテロが憎くてたまらない。あの日、僕は重傷を負った。そして、すべてのテロ組織を駆逐するために傭兵部隊に入った。その何年後にCBを知った。テロ組織だけでなく、紛争根絶もする組織。その理念に傾倒し、ガンダムマイスターになった。
「世界から見れば、我々も立派なテロリストだ。」
「その組織は・・・」
「刹那?」
刹那が立ち上がった。
「テロという紛争を起こした。俺は・・・テロを殲滅する!」
それは皆同じ思いだった。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ