その他
□元気を出して
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※死ネタ
常に会議室に咲く花。
いつも彼女はその横で笑う。
彼女がそれを好きだと言うから――…。
「ねぇ、なんでいつもオレンジの薔薇を生けるんだい？」
薔薇なら赤やピンクがあるのに、彼女はオレンジの薔薇を生ける。そう聞くと「んー…」と少し考え、答える。
「古い知り合いに薔薇を育ててる人がいて、よくもらうんです。会議室が少しでも華やかになったらいいなって思って…。
あ、そうそう。薔薇も色ごとに花言葉があるんですよ？
オレンジは、信頼とか無邪気とか、爽やか。後もうひとつあるけど…それは内緒。結構好きなんですよ、オレンジって」
「ふぅん…」
静。
最近ハルヤの後任で入ってきた新しいCODE:BREAKER。
異能は花。
花びらで周囲を覆い隠して撹乱したり、花の幻影で人を惑わせ、イバラの鞭で敵を切り裂く。そんな異能の持ち主だった。
「……君らしいね…」
「？」
静はきょとんとして私をみる。
「…それに…人見さん、元気ないから…少し元気になってもらいたくて…」
「？」
今度はこちらがきょとんとする番だった。すると、静は花瓶から一輪薔薇を取り、私の髪に挿す。
「…うん…人見さん、可愛い…」
「私は男だよ…？」
静は両手を写真のフレームみたいにし、「うん」と満足そうに笑う。
「タイトルは…『薔薇の麗人』…かな…？」
「…っ、はは…面白いね、君…」
「人見さん、やっと笑いましたね…」
彼女が笑う。
その一ヶ月後、静は異能を暴走させ、身体中に花びらを纏いながら敵に殺された――…。
＊＊＊
……――ザアアアアァァァ…
雨が窓を叩く。
私の目の前には静の生けたオレンジの薔薇、一輪。
「…人見…」
平家が私のところに来て、呟く。
「……静は…最後まで戦ったんですよね？」
「……あぁ…」
「そうですか」
目を伏せ、しばらく何も言葉を交わさない。
「……人見…オレンジの薔薇の花言葉を知っていますか…？」
「？」
そういえば、静が四つあるうちの三つまで教えてくれたな…。
「…信頼、
無邪気、
爽やか、
そして、『元気を出して』……」
「――…！」
もしかしたら、
あの日。
静は私を慰めたかったのかもしれない。
元気を出して欲しかったのかもしれない。
それに気付くのが、
遅かった。
私は、
何て馬鹿なんだ。
「……静…！」
もう、
戻らない。
なら私は。
他のCODE:BREAKER達が挫けぬよう、
オレンジの薔薇を生け続けよう。
だから、
それを汲んで。
次は、君が元気を与える番だ。
頼んだよ。
大神くん。
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補足？
・静の死因はｺｰﾄﾞｴﾝﾄﾞと敵による刺殺
・アニメで光の速さで殺されたハルヤの後任
・大神は人見さんからオレンジの薔薇の意図を教わってないけど察してる
んー…わかるかなぁ…？僕も若干わかんないやwww
ここまで読んでくれた静さん、さんくす！♪ヽ(´▽｀)/