その他
□繊細なぼく
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※嘔吐&グロ注意
きもちわるい。
「う、おぇっ…ッ…」
嘘臭い。
「っ、げほっげほ…」
きたない。
この世界のぜんぶが、
「ん…ッ…はぁ…」
きたない。
「……ハァ…」
口から溢れるのは胃液だけ。
嘘臭い現場に耐えられず吐いたのだ。
瞼に焼き付いた光景、それは連続殺人の現場だった。
壁に飛び散った赤、
ぐちゃぐちゃの肉のかたまり、
鉄錆びじみた臭いと嘘で塗りたくられた犯人。
私は嗅覚で捜査するが、最近は警察の臭い自体が嫌で吐く。
そんなことが続いていた。
「っ、は…久しぶりに現場に行ったらこれか…私も随分脆くなったな…」
口の端を拭い、トイレからでる。
「ん、静ちゃん久しぶりー。どしたの?女の子の日?」
部屋に戻ると、我らが秘密警察犬のリーダーの聡明さんがいた。
「違いまーす。」
さらりとかわすと聡明さんは鼻をすんすんさせて言う。
「……また吐いたのか…ジョージも酷いねぇ。いくら優秀だからって、グロ耐性皆無の静ちゃん連れてくなんてさぁ…」
「…別に、慣れたし…」
確かにグロいのは嫌いだ。しかし、それが仕事なら仕方無い。
「つか、聡明さんは大丈夫なんだ?」
聡明さんは少し考えてから「いんや、嫌いだよー。ぐちゃぐちゃなんて可哀想だし…何より痛々しいもん」と言い、ペットボトルの水を投げる。
「ん、ありがとうございます…」
一気に半分ほど飲み干し、息つく。
「……何で静ちゃんは秘密警察犬やってるの?」
「嘘が嫌いだからだよ…狼的にも、人間的にも。聡明さんは?」
「(やっぱりね…でも多分『静ちゃんが壊れちゃうから秘密警察犬をやめろ』って言ってもだめそうだな…)
……まっ、俺もそんなもんだ。
でも、はっきり言って、繊細な静ちゃんにはキツいと思う。それでも続けるか?」
そう聞かれた私は、「聡明さんに付いてきます」と答えた。
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遂に嘔吐するヒロイン描いちゃった…
収拾がつかないので強制終了でござい。←