優しい笑顔が
「ねぇ、櫻井さん、もっと声出してくださいよ」
「い、やっ・・潤ッ、やめろ・・・」
「どうして?気持ちいいんでしょ?」
ぐちゅっと水気を帯びた淫猥な音が俺を羞恥に追い込ませる。
「こんなに銜え込んでるのに。離してくれないのは櫻井さんでしょう?」
さっきまで自分が使っていたはずのボールペン。
「・・いた・・・嫌、も、無理・・だから・・・」
ぐちゅっ
「ぅ・・んんっあ、あぁ――ッ・・」
抜いて、と言おうとしたのに。
その声は甲高い喘ぎ声となり宙に消えていった。
更に奥を刺激し続けるその細く堅い無機質な物。
怖くて、でも気持ち良いと思ってしまう自分がいて
嫌で嫌で、気持ち悪くて。
無意識のうちに目から流れる涙。
頬を伝うその温かい涙を
そっと指で拭ってくれた潤を、
それでも俺は優しいと思ってしまう。
* * * end * * *