ナツ夢

□消毒
1ページ/1ページ

ナツにだけは見られたくなかった










ナ「お前、その傷跡……」

『っ……!!』









仕事先で戦いの最中に
炎系の魔法であたしがいつもしているストールが燃えてしまい
露になった大きな傷跡








誰にも見られたくなかった
特にナツには……








見られた!と思った瞬間
あたしはナツを背に走り出していた









ナ「ちょっ…おいっ!」








ナツがあたしを追い掛けてくるので
あたしも必死で逃げる








ナツに知られたら絶対幻滅する
もしかしたら最悪の事態だって…―









ナ「っ!ナラっ!!」

―パシッ―










捕まれた手首
あたしは構わず走ろうとしたがナツの腕の力に敵わず止まった








ナ「なんでにげんだよ!」

『はなして…』

ナ「ナラっ!!」

『離してよっ!』







ナツに抵抗しながら叫ぶ
体が震える、涙が溢れる
ナツに傷を見られてしまった…








ナ「その傷、なんだ?」

『これはっ…』

ナ「誰にやられたんだよ!?」









苛立ち始めるナツ








『幼いときの傷…

あたしはこの傷のせいで…
血が怖くなった…』

ナ「ナラ…」

『傷物の女なんて
誰にも大切にされないのっ…(泣)』

ナ「………」










今までこの傷をみた人は
自殺しようとしたの?とか
傷物の女かぁ…
女の首に思えねぇ…


そんなんばっかり
あたしのせいでできた傷じゃないのに




なんで皆責めるの…?











ナ「よくわかんねーな」

『っ…』

ナ「こんな傷がなんだってんだよ!」








―グイッ―





『!?』








ナツに掴まれている手首を引っ張られ
あたしはバランスを崩す
そこをナツが抱き止めてあたしの首に顔を埋める








『ちょっ……』





―チュッ―






『!?////』






そっと傷跡にキスをするナツ
それも一回ですむと思いきや
何度も何度もキスをしてくる









『ナ、ナツっ………//っ/』






ナツの唇が傷跡に触れるたび
あたしはビクッと体が反応してしまう







ナ「よし!おわりだ!」

『っ………/////』

ナ「消毒しといたからな!」

『消…毒…?』

ナ「俺の知らねーやつにつけられた傷なんだろ!?

消毒しとかねーとな^^」










ニッコリ笑うナツ









ナ「こんな傷があったって
俺はナラが好きだ!

今後ナラが怪我するたびに消毒してやっからな!」

『うわぁん…(泣)』

ナ「そっ…そんなに泣くなよっ…」









オロオロするナツ
そんなナツの腕の中であたしは泣いた







受け入れてくれたことと
消毒してくれたことと
こんなあたしのこと好きだ!って
いってくれたことが
すごく嬉しかった









ナ「ナラを次傷付けたら許さねー」

『ナツ…(泣)』

ナ「好きだ、ナラ
いつでも消毒してやっからな^^」









太陽のようなナツの笑顔に
あたしはとても救われてる

単純だけどそんなナツの思考が
あたしはとても好きだよ










―おわり―

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ