ナツ夢

□狂ってしまった歯車
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あたしは昔からナツが好きだった









でも
なかなか思いを伝えられずにいた









『…………』








ミラがいるカウンターに座りながら
ギルド内の一際騒がしい一角を静かに見つめる








そこにはルーシィやハッピーと騒いでる楽しそうなナツがいた









『………はぁ…』








深いため息をつくと
ナツがこっちに向かってくる





もしかして心配して…?








ナ「ミラ、ファイヤーメニュー頼む!」

ミ「はいはい^^」








なぁんだ
お腹がすいただけか
ミラに用意してもらったメニューを
バクバクとすごい勢いで食べ始めるナツ









『ねぇ』

ナ「うめー!」





隣にいるのに無視かよ








『ねぇってば!ナツ!』

ナ「あ?居たのか、ナラ
なんかようか?」






なんて目線はごはんに向いたまま言う
こっちすら向いてくれないのか…









『えーとナツってさ…ル「ナツ〜それ食べたら、この仕事行こう!」……』

ナ「おう!」





元気に返事をしてルーシィに振り向く
そして

ナ「食った食った!ミラ、ごちそうさん」

ミ「いいえ」







そう言ってルーシィの方へ行ってしまうナツ











『………』

ミ「何かナツに言うことがあったの?」

『なんか最近避けられてるみたい…』

ミ「そんなことないと思うけど?」

『もう目も合わせてくれない…』

ミ「気にしすぎよ」

『…………』










もう
ナツはあたしのこと嫌いなのかな?



子供の頃はあんなに仲良かったのに…










マ「ナラ」

ミ「あら、マスター」

「?」







名前を呼ばれ振り向けば
真剣な表情のマスターがいた








マ「お主に依頼じゃ」

『依頼?』

マ「ああ、お前の魔法
メロディーマジックを使わなければ
達成できない依頼」

『つまり、SS級クエスト…』

ミ「でもマスター

ナラはまだSS級クエストの経験ないですよ?!」









焦った様子のミラ









マ「じゃから…断ることも可能…『行く』………そうか……」

ミ「ちょっとナラっ…」

マ「最低でも2年はかかるじゃろう
命の保障はできないらしい…」

『わかった…』

ミ「そんな危険なクエストっ…
ナラ、断るべきよ!
万が一があったら、もう二度とナツに逢えないのよ!?」

『いい…

なんか嫌われてるみたいだし…』











もう何もかもいーよ
SS級クエストで死んでも後悔や未練なんてない…そう思った








『今から行く』

ミ「言ってかないの?」

『うん

きっと誰も気がつかないよ
ナツなんて絶対気がつかない』

マ「頼んだぞ、ナラ」

『はーい

行ってくるね、ミラ』

ミ「ナラ…」









泣きそうなミラ
そんなミラに手を降ってギルドを出ていこうしたとき









マ「ナラ…」

『ん?』

マ「生きて帰ってこい…」

『まぁなるよーになるよ』








それだけ言って
あたしはSS級クエストに出掛けた
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