ナツ夢

□俺のせいで死にかけた
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俺のせいで
あいつに迷惑がかかるなんて






ナ「ナラっ!」

「どんな気分だ?火竜
大事な仲間を目の前で痛めつけられるは」

ナ「くそっ!」





俺の目の前には天井から縄で吊るされてるナラ

その横には以前俺とナラが仕事でぶっ飛ばしたギースという男が手に鞭を持って立っていた








ナ「ナラは関係ねぇだろ!」

「大ありだ
おまえの仲間も同罪だからな

だからこうやって痛め付けてるだろうが!!」





―バチィ!!―




『っ………』

ナ「ナラっ!」

「おっとぉ、動くなよ!
また傷が増えるぜ!」

ナ「っ………!」








ナラの体はすでに
血だらけの痣やみみず腫で埋め尽くされている
そんなナラはもう声が出せないほど傷付けられていた







ナ「ナラをどうするつもりだ!」

「このまま人質になってもらい
妖精の尻尾を潰す!」

ナ「てめぇ…!」







高らかに笑うギース
俺は血が垂れるほど拳を握りしめていた






『ナ…ナツ…………』

ナ「ナラっ!?」

「まだ意識あったか…」

『に…げて………
あたし…は…大丈夫だ……から…』

ナ「ナラ…」







消えるようなか細い声で
途切れ途切れにいう

んなことできっかよ!
仲間を…好きなやつを置いて逃げる奴がどこにいんだよ!!








「しかしそろそろこの女も限界か
こら、早ぇーうちに妖精の尻尾に行かねーとな!」

ナ「………!」









どうしたらいい?
どうしたらおまえを助けられる?







正直そんなおまえの姿を見ていて
俺はそろそろ正気を保てなそうだ
紅く染まったナラを
これ以上は傷付けさせねぇ




だから今から俺がすることに対して
怒らないでくれよ…
好きだから…







意を決して
俺は片手に炎を纏った
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