孤独の果て

□一章
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あれから暁のアジトへと足を進めた。

中は洞窟のようでアジトと言えばアジトらしいが、何とも言えない内装で生活感がまるで無い。

面積はそこそこ広いが地面も壁も外見と同じでゴツゴツとした岩、岩、岩。


リーダー格のペインがカツカツと奥へ進み、何も無い岩の壁に向かう。

印を結んだかと思うとゴゴゴゴゴという地響きと共に何も無かった岩の壁が開き、隠し部屋へとつながる道。

出現したそれを確認すると皆その中へ足を進め出し、黒麗もそれに続いた。


その中は先ほどの場所とは打って変わり、床も壁もちゃんとしたものでいくつも部屋があり、洞窟の中とは思えない。

普通の家…否、それよりも少しばかり大きいちょっとした豪邸のよう。


中に入るとペインが自己紹介を促す。


『…人に名を聞くときは己から。じゃないのか?』


冷静且つ淡々と言う黒麗に暁のメンバーは驚き黙ってしまった。

当たり前と言ったら当たり前だ。


"暁"


忍ならば誰でも知っているS級犯罪者組織。

そんな暁を前にまだ幼さを残す少女が怯え、怯むことなく高姿勢で言ってきたのだから。


「…それもそうだな。俺はペイン。暁のリーダーだ」


リーダーとでも呼んでくれ。そう言ったのはオレンジの髪に顔中ピアスをつけた男。

それに続き次々と簡単な自己紹介をする。


『赤堂黒麗。』


最後にとっても簡素な自己紹介をしたのは黒麗。


「出来れば持っている性質も聞きたいんだが」

『連れてきたくせに何も知らないのか。教える気はない。知りたければ調べればいい』


ガッ!!
キンっ…


「だ、旦那!」

「黙れデイダラ。傀儡にして使った方が手っ取り早い…」

「やめろサソリ。これから黒麗には各任務に同行してもらい、その中で黒麗の能力を見極める。いいな」


黒麗はクナイを仕舞い頷く。

サソリも尾を仕舞った。


「チッ」



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