孤独の果て

□一章
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その後、黒麗はペインに連れられて自室に案内された。


「ここが黒麗の部屋だ。好きに使ってもらって構わない」


部屋の中はきれいに整えられていて、ベッドやクローゼット、机に椅子など必要最低限なものしかなかった。

だからと言って寂しいわけでもなく、寧ろ黒麗にとっては丁度いいくらいだ。

ペインがいなくなった後、特にすることもなくベッドに横たわっているとドアの向こうに誰かの気配がしたかと思うとトントンと律儀にノックがされた。

ドアを開けるため、体を起こし足を地につける。

ドアを開けた先には金髪…デイダラがいた。


『…何?』

「さっきはサソリの旦那が悪かったな、うん」

『気にしなくていい。何処の誰だかかよくわからない奴がいきなりこの組織に入ったんだ、警戒されても可笑しくない。それに君が謝ることじゃない。用はそれだけ?』

「いや、これを渡しに来たんだ。うん」


差し出されたのは黒地に赤い雲模様が描かれた外套と空の字が刻まれている指輪。


「それ、普段は着なくてもいいけど任務の時は身に着けておけよ。指輪は左の小指に付けろな、うん」

『…わかった』


デイダラが部屋をあとにした後、黒麗は先ほどまで戦っていたために血の付いた上着を脱いで外套を羽織った。

多少大きいが別に邪魔になるほどでもないようだ。

黒麗は血の付いた服を持って部屋を出た。

行先はあるであろう、洗濯室。

しばらく適当に歩いていたら見つかったので入ると中には鬼鮫がいた。


「おや、どうしました?」


黒麗に気が付いた鬼鮫が話しける。


『汚れたから洗いに来た』

「それなら丁度いい、今まとめて洗うところだったので置いといていいですよ」

『…そうか』


暁では当番制なのか?と思いながら徐に持っていた上着を置いた。


「随分血が付いているようですが怪我はないんですか?」

『全部返り血だからな』

「それならいいんですが」


それだけ言った黒麗はスタスタと元来た道を戻っていく。


(…なんですかねぇ、この違和感は…。不思議な子ですねぇ)





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