全校 short

□年に一度の記念日
1ページ/2ページ


――…なんだ…?これ…

今俺の前には、白い大きな正方形の箱が置かれている。

桃「あの…これ、何スか?」

俺が問いかけると、不二先輩が、にっこり笑ってこう言った。

不「桃に誕生日プレゼント!」

桃「へぇー…でも、何が入ってるんスか?こんなおっきな箱…」

菊「それは開けてからのお楽しみだにゃっ!!」

ヒョコッと、不二先輩の後ろから出てきた英二先輩。
なんか、皆してニヤニヤしてんだけど…
(手塚部長とタカさんはなんか呆れてるけど)
……つーか、海堂と越前はどこ行ったんだ?

乾「さぁ、開けるんだ。桃城。」

――…なんか怪しいもん入ってないッスよね!?

そんな不安を抱えながら、綺麗に巻かれているリボンに手を掛けて、シュルシュルとほどいていく。
そして、箱を開けるとそこには…

桃「は!?」

驚きすぎて、すっとんきょうな声をあげてしまった。

不「どうだい?気に入った?」

相変わらずにこにこしながら聞いてくる。

桃「いや…何スか、これ…」

手「…だから、やめろと言ったのに…」

手塚部長の口からそんな言葉が聞こえてきた。

まぁ、こんなもん渡すこと考えてたら俺も同じこと言うだろうがな…

だって、箱の中に入ってたのは
真っ赤なリボンを身にまとい、白が基調となったロリータのドレスを着た越前がいた。

……まぁ、寝てるんだけど。

不「越前だけど?」

桃「いやいやいやいや。そうじゃなくて…」

越「桃…先輩?」

桃「越前…?起きたのか。」

不「あ、越前、さっき練習したこと、やらなきゃ。」

心底楽しそうに言う不二先輩。

――練習したこと?

すると、越前が箱から出て、ギュッと俺に抱きついて

越「誕生日、おめでと。俺のこと、もらってくれる?」

なんて言うから、顔が赤くなる。

――こんなん、越前じゃねぇな、越前じゃねぇよ!!

と心の中で叫びながら、部室を飛び出した。

そして、暫く走ると海堂が何かぶつぶつ言いながら歩いていた。

桃「おーい、海堂ー!!」

海「あ?…なんだよ。」

桃「いや…ただ見かけたから声かけただけ。」

海「そうか…」

桃海「「…………」」

暫くの沈黙が落ちる。

――あ〜、俺、沈黙苦手なんだよな…。

なんて思ってたら、海堂がトン、と俺に小さな箱を押し付けた。

綺麗にラッピングされたそれを手に取ると、海堂が

海「やるよ…」

桃「は?」

海「お前、今日誕生日だろ?」

顔を真っ赤にして言う海堂が可笑しくて、素直に笑ったら、やっぱり怒鳴られた。

桃「わりぃわりぃ。ありがとな!!」

そう言って、海堂の頭をポンポン、と叩く。

さらに何か言われる前におれは『じゃあな!!』と言い残して走り去る。

――帰ったら開けるか。

俺はテニスバッグを持ち、帰路に着いた。


家に着いて、海堂からのプレゼントを開けてみると、赤と白のラインが入ったリストバンドが入っていた。


********************
桃!!
誕生日おめでとーーーっ!!!!

大好きだ〜っ!!!

はい。
最終的に海堂くん落ちです♪

きっと、何だかんだ言ってもこう言うときはお互いに祝い合うんだろな〜なんて妄想です(^^)

そして越前くんファン、申し訳ありませんでした!!

はい。

もう、残念だね。
うん。
謝るしか出来ないよ?

うわぁぁぁぁ!!


→オマケ
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ