終わらない夢を紡ぐキミに

□番外編◆不可侵の女神- sacred goddess- by 中西京介
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それから数年、一磨と彼女の交際はなおも続いていた。

幾度となく彼女に言い寄ってみたりしたが、彼女は一向になびこうとしなかった。

そして、あの日の前の日―――彼女への思いを封印しようとしたあの日―――舞台練習があるという一磨を除いた4人で夕食を済ませ、マンションに帰ってきたとき。

亮太とエレベーターを降りると、嗚咽を堪えたような声が聞こえてきた。



「?」



廊下の角を曲がると―――一磨の部屋の前で海尋が両方の手のひらで顔を覆って佇んでいる。



「……海尋ちゃん?」



声を掛けると、彼女はハッとこちらを向いた。



「どうし……

 !」



顔が涙でグシャグシャになっている。

一磨と何かがあったみたいで、泣いていたようだ。

アイツの性格から言って、彼女をここまで泣かせはしないハズ……なんだけど。

オレの後ろから来ていた亮太も何か気付いたらしく、からかい気味に言った後、言葉を失っていた。

その時、少し遅れて翔と義人の来る気配がした。

あんな姿の彼女を見ると、翔のことだから大騒ぎにする可能性が高い。



「亮太、翔を確保、それから強制連行して」



亮太がオレの意をくんでくれて、翔たちを引き離している間にオレは彼女に近づく。

冗談と本気の狭間に心を揺らしながら。



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