終わらない夢を紡ぐキミに
□番外編◆不可侵の女神- sacred goddess- by 中西京介
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「昨日の夜、あれから…………あの部屋で一磨に抱かれたんだ…?」
彼女は動揺する。
そして、そんな彼女をオレは後ろから抱きしめて―――強引に唇を奪った。
彼女に思いのたけをぶつけてみると、意外にも―――彼女はオレのことも好きになってくれていた!
そう喜んだのも束の間……オレのことも好きだけれど、一磨を選ぶのだと言った。
彼女は一磨を選んだ理由を話しだす。
思い合っているのに手に入れられない、そんな状況をどうにかしたくて彼女に一磨との同時交際を持ちかけた。
少しでも本当のオレを知ってから決めてほしい、ただそれだけだった。
だけど―――彼女はその提案をも拒絶する。
そのまま無理矢理にでも奪ってしまおうかと思った。
そうすることで彼女は一磨とは別れ、オレの元に来てくれるかもしれない。
だけど―――そんなことをしてしまえば、きっと彼女のことだから、耐えがたい苦悩に襲われるだろう。
そして、きっと、あの穏やかな笑顔は永久に消えてしまうだろう。
「これ以上、私の心をかき乱さないで…!!」
海尋が泣きながら叫ぶ。
彼女のその叫びは……彼女自身にオレへの想いを断ち切れと言い聞かせているようにも聞こえた―――。