終わらない夢を紡ぐキミに
□記憶・幸せが壊れる音 with 本多一磨
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終わらない夢を紡ぐキミに
〜記憶・幸せが壊れる音〜
with 本多一磨
まだ閉じた瞼に感じる明るい日差し。
その眩しさから逃れるように寝返りを打つと、愛する人の寝息が額にかかる。
「ん……」
その寝息がくすぐったくて、ふと目を覚ます。
―――一磨の腕の中で目覚める朝。
彼はベッドの中で私を包み込むように抱きしめている。
彼を起こさないように気をつけながらその腕からそっと抜け出して、簡単に身支度を済ませたあと、朝食の準備にキッチンへと向かう。
キッチンに入る前に、リビングに置いたメッセージボードに貼り付けてあるスケジュールを確認。
一磨は今日の午前中はWaveのみんなと雑誌取材、午後からダンスレッスンとわりとゆったりめ。
私のほうは午前中に新曲のレコーディングの打ち合わせで仕事が終わり、午後一番で月に一度の妊婦検診。
「ん…と、7時ごろに起こせばいいかな……」
そう呟きながら、キッチンに入って朝食の準備に取り掛かる。
ほぼ準備が終わって調理用具を軽く洗っていると、ふいに後ろから抱きしめられた。