終わらない夢を紡ぐキミに
□記憶・薄明、至極色を携えて
1ページ/4ページ
終わらない夢を紡ぐキミに
〜記憶・薄明、至極色を携えて〜
by heroine
夜明け前の払暁の時間、黄昏時の薄暮の時間、ひとり、至極色の空を見ていつも思っていた。
―――どうして彼はここにいるの?
―――どうして彼は私を放っておいてくれないの?
―――どうして私は彼をそばに置いておくの?
―――どうして私は彼を受け入れるの?
―――どうして私はあの人の手を離したんだろう?
―――どうして私は子どもを守り切れなかったんだろう?
―――どうして神さまは私から子どもを産む力を奪ってしまったのだろう?
どうして、なぜ、どうして―――。
頭の中で浮かんでは消える、いくつもの疑問の言葉。
子どもを守り切れずに、あまつさえ、命を紡ぐことが出来なくなった私。
それを責めないでくれた優しすぎた最愛の夫。
その優しさが辛すぎて、私はあの人からも現実からも逃げた―――。