終わらない夢を紡ぐキミに
□朔月の迷い道-labyrinth- with 中西京介
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終わらない夢を紡ぐキミに
〜朔月の迷い道-labyrinth-〜
with 中西京介(by heroine)
―――静かに寄せる波の音、穏やかで優しい人の声……。
(……海尋……愛してるよ…)
その人が指先で頬を撫で、優しくキスして……。
「……ん…」
(ずっとキミがほしかったんだ……全てオレにあずけて…)
そして、優しくゆっくりと私の身体を愛撫する……。
「んっ…ふ……」
(……愛してる…誰よりも……
海尋だけをずっと……)
見えない月の下でその人は私の中に入り……。
「は…あぁ…っ、…か…一磨……っ…」
(……キミを離さない……永遠に…愛し続けていくことを誓うよ……)
「か…ず……
………っ!!」
自分の声に驚いて目を覚まし、飛び起きた。
心臓がこれ以上ないくらいバクバクいってる。
「あ……。
い…今の……夢…は…」
身体の……ある部分がとても熱く疼いて…下肢の間が湿っぽくなっていた。
どんな夢かハッキリ覚えてて、顔が熱くなっていく。
それは、新婚旅行先で一磨に抱かれたときの記憶。
しかも、何年も前の。
―――どうしてあんな昔の夢を見たの……。
思い当たる理由はただ一つ。
偶然にも空港で一磨に遭ってしまったから。
たったそれだけのことで……もう二度と遭うことは許されないと思っていた、愛するあの人に夢の中で抱かれて……濡れてしまった―――。
荒くなった息を少しずつ整えながら、ベッドサイドテーブルの灯りをつけ、置いてある時計を見ると午前1時を回っている。
眠る前はまだ京介くんは帰っていなくて。
辺りを見渡し、彼が部屋の中にいないコトに安堵の息を吐く。