終わらない夢を紡ぐキミに
□封印された歌 -message song- by 中西京介
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終わらない夢を紡ぐキミに
〜封印された歌-message song-〜
by 中西京介
沖縄でのPV撮影を無事に終えて東京に戻った1ヶ月後―――。
再度、メンバーでの話し合いが持たれた。
あれからオレに対する翔の態度が硬化し、それに見兼ねた一磨がメンバーを招集したのだ。
今はまだ仕事への支障は出ていないものの、このままだと支障をきたし兼ねないと判断したようだ。
個人的なことで申し訳ない、と一磨は口を開いた直後、テーブルに片肘をついた亮太が面倒くさそうに言った。
「でもさぁ、一磨が納得してんのに、なんで関係ない翔が……」
「…亮太こそ関係ねーだろ。 ほっとけよ」
「関係なくはない。 現にいろんな局のスタッフの間で不仲説が出てる」
憮然と言う翔に義人がたしなめるように言った。
その話はオレも小耳にはさんだことがある。
どうやら沖縄での撮影スタッフが発信源となり、実際に各番組での場の雰囲気でバレているようだ。
「このままいくと、解散のウワサも出るかもねー」
「それならそれでいーじゃん。 京介と一緒に仕事しなくてせいせいする」
「翔!」
「…っ!」
「……本当に悪い…。 オレが不甲斐ないせいだ…な…」
義人が翔を一喝してすぐに、一磨が自嘲めいた微笑で自分のリーダーとしての責任だと言った。
それを翔が否定する。
「何言ってんだよ! 一磨はいろんなところで頑張ってくれてただろ?」
すると、一磨は懇願するような表情で静かに翔に語りかけた。