終わらない夢を紡ぐキミに
□番外編◆お昼寝は緑のベッドの上でwith本多一磨
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終わらない夢を紡ぐキミに
〜番外編・お昼寝は緑のベッドの上で〜
with 本多一磨
小鳥がさえずる声。
風が奏でる、木々の音。
家の中に挿しこんでくる太陽の光。
家の周りにはたくさんの自然があった。
そんな、癒してくれるものがたくさんある家で暮らす私たち。
家族での食事を終えて、私はキッチンで昼食の後片づけをしていた。
ちょっと前まで賑やかだった家の中には、もう誰もいない。
恐ろしく多忙の『彼』は、今日は本当に久しぶりのオフだから、もしかしたらもう寝室で休んでいるのかもしれない。
たくさんの食器を洗い終えて一息ついた後、ふと時計を見ると、ある時間を過ぎていた。
―――いつのまにか、子どもたちをお昼寝させる時間になっていたのだ。
そのとき、家の周りが静かになっていることに気がついた。
(……あれ? 子どもたち、どこへ行ったの…?)
家から出て見渡すけど、いない。
さっきまで ラブラドール・レトリバーの”みど”と”ふぁら” といっしょに大騒ぎで走り回ってたと思ったのに。
「ちびちゃんたちー、どこに行ったのー?
美音ーっ、至音ーっ、彩音ーっ」
テラスから降りて、子供たちの名前を順番に呼ぶ。
お昼ご飯のあと、食後の休憩を少ししてからダイニングを飛び出して行った子どもたちを、お昼寝させるために私は探しだした。
「お昼寝の時間よー。
音弥ーっ、琴音ーっ」
家の前から少し離れて、辺りをきょろきょろと探す。
「どこまで行ったんだろ……」
一番下の双子、音弥と琴音はまだ2歳で、長女の美音がついているとしてもそんなに歩けないハズなのに。
”みど”と”ふぁら”の2匹もいないとなると、一緒だろうから少しは安心なんだけど。
「どっちの丘かな……」
そう呟きながら、小高くなってる丘の片方に向かってみると……いた。
”みど”と”ふぁら”の横になっている姿が確認できた。
『海が見えるほうの丘』の上に。
「もー」
子どもたちに声をかけようと近づいてみたら………全員、寝てる。
しかも、いつの間にか一磨まで一緒になって。
子どもたちがみんな、彼に寄り添って寝ていたのだ。
一磨には体を休めてもらおうと思っていたのに、どうやら子どもたちが遊びに連れだしたみたい。