終わらない夢を紡ぐキミに
□記憶・Turning Point Day with 本多一磨
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(え…? 一磨が怒鳴るなんて…何なの……?)
しかも、激しく吐き捨てるような口調だ。
今まで一緒にいて、あんな言い方をしたのを聞いたことがない。
胸がざわつき、モモちゃんの到着を待たずに控室を飛び出して彼らの控室へ向かった。
開いたドアから覗き込むと、ちょうど一磨とWaveのマネージャーが言い争ってるところだった。
「このCMはウチの事務所に新しいイメージを吹き込むための足がかりなのよ。
あの事故からもう1年も経ってるじゃない。 いい加減に立ち直ったらどうなの」
「―――っ!
あんな喪失感を味わったことがない人間が簡単に言うな!」
いつも穏やかな一磨が……。
しかも、信用していると言っていたマネージャーに向かって……。
いったい何が……?
私が入口に立っているのに気づいた京介くんは急ぎ足で私に近づき、廊下に出るように目配せしてそっとドアを閉めた。