終わらない夢を紡ぐキミに

□朔月の迷い道-labyrinth- with 中西京介
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驚いて、はっと京介くんの方を向く。

でも彼は目を瞑ったままだ。



「……一磨を求める声」

「!」



彼は冷たく言い放つと同時に私に背を向けた。



「いつも海尋が寝言で一磨の名前を呟くコト、ずっと我慢してたんだよ、オレ。

 仕方がないのかな、って。

 ただ、いつもは呟くだけだった。

 だから、何とか我慢出来てた。

 だけど、どうして今日に限ってあんなに一磨を求める声を上げてたの?

 一磨に抱かれる夢を見てたの?」

「…どうしてって、それ…は……」



見たくて見たわけじゃないのに……どんな夢を見るのか自分で決められるわけがないのに……。

そう反論しようとしたとき―――。



「そんなに一磨が忘れられないのなら、アイツのトコに帰ればいいだろ!?」



彼が悲痛な声で叫ぶ。



「え…? 京介くん…!?」

「どうし…て……!」



彼はそう叫ぶとバッと起き上がり、体を起こしていた私の腕を掴んで引き倒した。



「や…っ…!?」



これまでにない乱暴な力で私が着ているものすべてを剥ぎとっていく。

片方の手で私の両手首を押さえ込み、そして、もう片方の手で下肢の間の濡れてしまった場所に触れる……。



「!!

 どうして、他の男に抱かれる夢を見てこんなに……!!」


そう声を荒げた次の瞬間、彼の指は容赦なく私の奥深くを責め立てた。


「や、ぁっ…やだっ、やめて!

 …京介くんっ……こんなの、いやぁ…っ…」



声を限りに叫んでも、彼はやめてくれなかった。

私は拒絶の言葉を叫びながら力の限り抵抗する。

だけど、敵うわけがなく……。

―――初めてだった。

こんな乱暴に。

何が彼にそうさせているのか……。

………夢のなかの一磨への嫉妬心…?

ううん、きっと他に何か理由があるはず…。

再会してからの彼は、私を壊れもののように優しく扱った。

私が彼を受け入れるまで、時間をかけて待っていてくれた。

そんな彼が理由もなくこんな暴挙に出るはずがない。

そう思うと、私はいつしか抵抗をやめた―――。



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