終わらない夢を紡ぐキミに
□朔月の迷い道-labyrinth- with 中西京介
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私は彼のなすがままになって、ただ茫然と宙を見つめる。
瞬きをすると、涙が……こぼれた。
抱かれるのが嫌なんじゃない。
今まで京介くんに抱かれたくて何度も抱かれてきたのだから。
感情をぶつけるだけの、激しいだけの行為を続ける彼が悲しかったのだ。
―――私があんな夢を見なければ京介くんはこんなふうに……。
寝言や夢のコトだけじゃないのはわかっている。
もしかしたら、みんなに私とのコトを何か言われたのかもしれない。
そう思うと、彼のこの行為を否定することは出来なくて。
それに、感情を昂ぶらせたまま、まるで凌辱するかのように私を抱く彼もまた、彼なのだ。
そんな彼を受け入れるように私は彼の腕にそっと触れた。
そして、愛する人との行為は……そのままの彼を受け入れたことで、感じた悲しみさえ忘れていとも簡単に私を快感の渦に導く―――。
「ぁ…っ……」
「海尋……絶対に渡さない……」
「京、介く…… あぁ…っ………」
「絶対に一磨のところには帰さない……!」
「や……っ、ふ……あ…っ………」
怒りと焦りの感情が入り混じった声音でそう言葉を紡ぎながら京介くんは私を激しく抱き続けた。
―――快感の渦にのまれた私は、彼の激しさに翻弄されながらもさらに京介くんを求める。
彼もまた、私の名前を呼びながら私を求めた。
そして、私たちは二人同時に快楽の頂に登りつめた―――。