Hazardous Material
□Hysteria / Counterfeit Lovers
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Counterfeit Lovers -偽りの恋人たち-
彼女を連れて入った、海沿いのモーテル―――。
ここは各部屋がそれぞれの駐車スペースの上にあって、そこの従業員や利用する他人にオレたちの姿が見られる心配がない造りになっている。
その一室で―――オレは彼女を抱いていた。
「…っ…はぁ…っ……あっ……」
部屋に入ってすぐ、おぞましい出来事を全て洗い流すかのように彼女はシャワーを浴びたいと言った。
シャワールームに入った彼女だったが、なかなか出て来ず、様子を見にいくと、彼女は泣きじゃくっていた。
おぞましい事実全てを消し去りたいとばかりに、彼女は皮膚が赤くなるほどタオルで自分の体を擦っていたのだ。
そんな彼女をバスタオルで包んでシャワールームから連れだした。
そして―――流されるままに激しくキスを交わしながら、もつれ込むようにベッドになだれ込んで始まった時間。
愛し合う者同士ならあるはずの優しさはそこにはなく、あるのはただ流されるだけの激しさ―――。
彼女は忘れたい現実―――凌辱され続けているという現実―――を忘れようとするかのようにオレを求める。
理性ではこんな状況で彼女を抱くことも歪んでいることだとわかっている。
けれど、彼女を抱きたいという欲望には勝てなかった。
「ん……ふ…………」
恥ずかしそうに閉じられた瞳。
手のひらに吸いつくような肌。
弾力のある乳房をそっと掴み、その片方の頂を口に含んで舌で弄ぶ。
時には強く、時には弱く吸いながら、もう片方の乳房を手のひらで愛撫する。
彼女が甘く濡れた声を漏らすたびに二人の熱が高まっていく。
彼女は切なげな瞳でオレを見て、ふたたび瞳を閉じた。
彼女の身体がオレを受け入れることが出来るか確認するために、下肢の間のその場所を指でなぞる。
「ひぁ…んっ…」
瞬間、濡れた声を上げて体を震わせ、仰け反らせる。
そして―――。
「あ…っ―――あぁっ―――」
彼女を貫いた瞬間、悲鳴に近い声を上げて海尋はシーツを掴む。
覆いかぶさるような体位でオレのモノは何度も彼女を刺激する。
そのたびに洩れる彼女の濡れた声。
二人の荒くなっていく息遣いとともに、激しい律動からもたらされる淫靡な水音が灯を薄く落した部屋に響く。
何度も体位を変えて彼女を愛し続けた。
長く深く繋がり続け―――ついには海尋は体を小刻みに震わせると同時に絶頂に達したと思われる声を上げた―――。