長編

□おはよう
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かすかに揺れる振動が心地よい
車に乗っているみたいで妙に安心して寝てしまう


しかし固い



車で言うと私は座席に寝転んでいる形だ
その座席が固い
痛いです


揺れるので体もゆらゆらと揺れて
固い座席に体がぐりぐりと
いたたたたた


ガタンと大きく揺れれば、
ゴンと衝撃が頭にきた。

車にしては揺れが激しい
痛みで目が覚めたので辺りを見渡してみる


広い床に寝転んでいたようだ
しかしほの暗いためここがどこで私がどうなったのか
いまいち理解しがたい
壁に触れれば柔らかく、それが布だと分かった

ぐいぐいーと前へ押せばするするとほどけ向こうが見えた
しばらくこの部屋にいたせいか光が眩しい
そういえば私の家にこんな部屋あっただろうか?
開かれた視界がさらに謎を呼んだ



「……平野…?」



黄土色に染まる世界が向こうにはあった。
草木は枯れていて荒れ地のよう
そして揺れるこの部屋は早いスピードで左へ進んでいる


たまに馬の声が聞こえるから馬車に乗っているのかしら



馬車とかレトロすぎるでしょ



ちょ、え、は、あの、……ん?



状況整理のために一回落ち着こう
後ろを振り替えって座って考えよう
部屋に光りが入るように工夫して
くるりと後ろを振り返った









ぐー、すかー








………何故気づかなかったのか








振り向けばそこには大の字で寝ている男の人がいました





















「ってエースじゃん!?」

知ってるぞ!エースじゃん!!
オレンジのテンガロンハットがぐしゃりと頭の下に
…エースじゃん!!!


カバンからごろごろと何か溢れてるし
大きいネックレスつけたまま…よく寝れるな…

エースだ…うあああ生ってはじめてだよ…











記念に触っておこう。

上半身裸なエースさんの綺麗に並んでる腹筋を…ちょっと失礼、
「あ、いがいと柔らかーい!でも固いや…すげー…」
初、男の肉体タッチ!!!!!!




きゃーわー…うああああああすっごおおうあうあああああ…







「  満   喫  」
満足するまで触らせていただきましたありがとうございます。
さて!


「これって夢かな!生とかいっちゃったけど夢だよね!」
さすがにエースは現実にいるわけないし!
馬車とか平野とか、今の日本にはないっすよねー!!

そうか夢か…








「もうちょっと触ろうかな」
「もう勘弁してくれ」

触ろうとにじみよれば手とともに制止された
ピタリと止まることかできたのだが それどころじゃない
バレて…る…?
と、とりあえず


「お、おはよーございまーす…」
「あ、どうもおはようございます。」


正座でぺこりと挨拶すればエースもよいしょと正座で挨拶をくれた


「で、ここどこだ?」
エースがへらりと笑って私に問う
知らないので首を降ればそっかー一緒かーと
おそろいですねと言えばあんまり嬉しいおそろいじゃあねぇなと

へらりと笑うエースちょうかわいいんですけど



げふん。
とりあえずここが馬車で平野のような場所にいることを説明した

するとエースは首をひねった
「ありゃ?俺とお前は確か海の見える森で昼寝してたんだけどなー
…こりゃ誘拐か?」





「あ、待ってエースさん」
「はいなんでしょう」
「お知り合いでしたっけ」
「いいえ」
「……なんで昼寝!?」
「まず誘拐に驚くとこじゃねーかな普通。」





いやいやいやいやいや!!!!!
うわあ!エースとお昼寝しちゃっ!!!た!!!!!!
知らないけど!!!
え、私、森で寝てたの!すっごーーい!!


「あ、誘拐されたんですか!?」
「たぶんな」
「…エースさん…」
「しょうがないだろー?俺寝てて気づかなかったんだからよー」
「覇気持ちでしょうが…」
「だってお前すっげえ気持ち良さそうに寝ててさー」
「うっそ」
「ほんとほんと!つられて眠くなってよー!」
「うあああああ寝顔みられたうああああああ」
「可愛かったぜ」
「お世辞はいらん!」


説明してくれるときに身振り手振りしてくれたエース
しかし片手が以上にジャラジャラ音がなっている
え、エース…それ…海楼石の手錠や…


「うおっ!どうりで力出ねぇわけだ!!」


エースさん…
あーだこーだ言ってると前でわやわや声が聞こえた



おい起きたんじゃねーか?
二人そろって大の字で寝てたからなー
もう起きる頃だろ
火拳がいるからあの女人質にして黙らせろ
ほーい





ガラリ






頭ー
アイツら大の字でまだ寝てまっせ〜
……徹夜明けか?
かもな
…ほっとけ
ほーい










「…よし!」
「あああなんで大の字で寝ちゃったんだよ女でしょう私…!」

危なかったなーとか言うけど私前も大の字で寝てたの…?
恥ずかしくて絶望状態の私の肩をエースが叩いた



「ま、抜け出すにしても力いるし
話し合うにも元気がたりねぇ、
…そうくれば今することは…!」

カバンをひっくり返しつつ












「飯食おうぜ!!!!」








―――――――――――――――

改めて新しく連載させていただくことをお許しください!
前のはややこしくむずかしく考えたせいで進まなくなりました、はい

今回はギャグまっしぐらでむずかしいこと暗いこと吹っ飛ばします!








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