長編

□彼の無意識な優しさ
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「ったく…どこで迷子になってんだよい」

晴天の空で輝く青が呟いた

「こりゃ、捕まえたら罰として一週間掃除だねい」















「あっちーなっ!!」
「そうですね貴方のおかげでよりいっそうすごいですよ!」
「褒めても炎しか出ねーぞっ!」
「ごめんなさい悪かってですあつつつつあっつい!!」
「はっはー!」

ちくしょう冗談で言ったのに全身で熱くなりやがって…!

それでこれからどうするんですかと聞けば
とりあえず日陰行こうぜ、と



「お前走っても遅そうだしこのまま走るぞー」
「その通りなんでどうぞお願いします」



担がれたままの私と荷物がないかのようにスタコラ走るエース
さすが隊長…強さもやばいんだろうな…
あっというまに草原のような場所へ到着!
一本木へ私と荷物を置いてくれた


「ありがとうございます」
「かまわねーよ」


礼すればなでなでしてくれた
お、お兄さんだ…!



「ひとつ、貸しな!」



…訂正します





まわりを見れば
そよそよと動く草が音をたて
ゆっくりと真っ白い雲が動き
鳥の鳴き声が遠くから聞こえる


木陰で座ってそれらに見とれていればふと、



エースがいなかった



風が吹いて流れる汗も少しずつ消えていく


何処へ行ったのだろう



目で探せば少し遠くの方で手を振ってるエースを見つけた
走ってくる様子から何か見つけたのだろうか

立って待っているとすぐに来た 早いな



「いいもん見つけた」

へらりとまた笑うエース
カバンをせっせと背中から降ろし中を見せてくれる
と思ったらがばっと頭上に持ち上げてひっくり返した


「ほら!」
「わ!!!」


へへーんと自慢げにひっくり返すのだが正直怖くて身構えた

でも降ってきたのは予想とは違うものだった

「…花?」
「草むら進んだらよ!見つけた!」

色とりどりの花びらがふっていた

「正直虫かと思ってました…」
「おい」
「すごい…きれい…!」
「…へへ!」


くるくる回っていろんな花を見れば
エースはがっさがっさとカバンを揺らしてくれた

二人できゃっきゃくるくる回って遊んだ













「……お取り込み中失礼」

いきなりの声に二人そろってビクリと反応
見渡しても姿が見えない

エースを見れば嫌な顔して上を見てた



「…なぁ、」
「何も言わずに消えたお前にとやかく言う権利はねぇよい」


がさがさと音をならして地面に着地した…のは…!!!

「う…あ…!」
「どうも。」






頭だけ礼をしたパイナップルはマルコおおおお!!

うわああああマルコだああああうああああうああああああ!!!!
俳優にあったかのように握手してぶんぶん振りたいけどこらえた!

わなわな震えてるけどな!


「怖がってるだろ!」
「と言われてもねい」
「帰れ!」
「船の場所知ってんのかよい」
「ぐぐっ…!」
「わざわざ心配する2番隊にかわって俺が探してきてやったのに」
「く…」
「その言いぐさは…あまりにも酷いねい」
「うがーー!」
「そう思うだろい?お嬢さん」

「へ、あ、はい。そうですね」



「っ!…卑怯者ー!」




生マルコすごい






「で、何があったんだよい」
「…後で言う」
「は?」
「いろいろあったんだ!だから…親父の前で言う」
「そうかい、じゃあお嬢さんはどうする?」


コイツとでも言いたいように親指で私をさすマルコ

無関心…って感じだね!私と目も全然合わせないね!





「連れて行く」



「「へ、」」

「…なんでお前も驚いてんだよ」

エースは私がびっくりしたことに疑問を抱いているが、いや、
まさかこんなにすらりと行けるだなんて、ねぇ?



「私も船に…乗っていいの?」



聞けばまたへらりと


「行こうぜ」


また私と袋を担いでエースはマルコの制止を聞かずに進んだ





(だから帰り道知ってんのかよいっ!)
(知らね!教えて!)
(…1ヶ月に延ばす)
(なんか言ったかー?)






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いちよう逆ハーレム設定です
いちよう…いちよう…






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