短編

□所詮腐れ縁というヤツで
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小学校の思い出と言えば

1年
初めて仲良くなったのが解剖少年で
次はヤクザの息子でした
彼らは私の知らない世界をもっていた


2年
算数が苦手な私とヤクザの息子に解剖少年が
メスとナイフを使って文章問題を解くのを手伝ってもらったり
ヤクザの息子と一緒に遊んでどろんこになった姿で解剖少年に抱きついたり


3年
ここらへんから私は少しずつ彼らを意識するようになり
初めてのバレンタインチョコを渡した
しかし彼らはすでに大量に貰っていたから
渡すのをためらったがその場で食べてくれたので嬉しかった


4年
彼らに好意を抱く女の子が増えてきた
もやもやした気持ちが分からず
この頃から距離を置くようになった


5年
去年まで私の方が大きかったのに
彼らは私の背をとうに越して
声も変わり、
私の知らない彼らとなった


6年
解剖少年は頭がよかったし
ヤクザの息子は家柄がよかった。
エスカレーター式の中学へ推薦すると噂を聞いた
私は学力も金銭的にも余裕はないので
平凡な中学へ行くことを決めた。

もうこれで、彼らに会うことはない



小学校の思い出なんて
思い返せばほとんどが彼らでいっぱいだった



そういえば名前を呼んだのはどのくらい前だったっけ。





卒業して

二人が好きだった事
周りが好意を抱くたび嫉妬していた事
しかし自分では不釣り合いだと思っていた事


やっと気づいた







中学校の思い出といえば



1年
友達出来るかな、
心配しながら席に座り
両隣が開いたままHRが始まった。
遅刻らしい。
遅れましたと叫びながら来た姿に思わず口が塞がらなかった。


エースとローがいた



2年
会話するたび鼓動がうるさいので
どうやら本当に二人が好きらしい。
しかし二人は女子に大変な人気。
毎日のように告白され、

毎日のように「好きな人がいる」と断っていた。

分かっていたことだが無性に悲しかった


3年
職場体験決めで最後に余った保育園へ行くことになった。
友達と離れてしまうし、あまり子供は好きじゃなかった。
最悪だと毎日のように言っていたが
ある日変更が決まったらしい。

まさかのエースとローが来た。


以外にも子供に人気だった二人を見るのは楽しくて
三日間あった職場体験で私たちはすっかり元に戻った。


そこで問い詰められた


「なんで避けた」


俺達を。



言いたくはなかったが
またあの余所余所しい関係には戻りたくなかったので

好きと嫉妬以外は話した



すると二人は


嫌われていなくて安心した、と



思わず泣いてしまった。




おそらくこんな偶然はもう最後だと思った

もう会えないと

それぞれ違う道に進むのだと





ならばいっそ、言ってしまおうか






卒業式に三人で照れながら撮った写真を見ながら

好きと嫉妬

今までありがとう

これから頑張って

離れていても友達だと




メールを送った







返信はなかった。














すこし切ない中学校の思い出。














現在私は高校生

元気に2年生をしています



いつも手伝ってもらっていた勉強を一人で頑張り受けた高校。

受験番号が入ってた時はすごく喜んだ

そして入学式。



母親を余裕をこいていたら遅刻した。



遅れてすみませんでした
そう叫びながら入った教室。

まるであの頃のよう



チャイムはまだ鳴ってないようだ





「とりあえず座れよ、名無しさん。」


ひーひー笑いながら

笑いを堪えながら






エースとローがいた




















「懐かしいなー!!!!」

「あああああほじくり返さないでよ馬鹿馬鹿お馬鹿!!」

「お前真っ赤になって泣いたよな」

「やめて!お願い!」



今もそんな感じである。


しかし違うところといえば



「そうだ俺の家にアルバムあんぜ」

「…なんのですか…」

「名無しさんのか」

「おうよ」

「!?」



三人で仲良く手を繋いでいること

しかしこの状態は私を挟んでじゃなければいけない、らしい。




入学式の後にエースとローに捕まった。


両手を手で掴まれたため赤い顔を隠せない

それにエースとローの距離が近くて下も向けない


この状態でエースとローは何をするのかと冷や汗をかいた


『家帰ったら覚悟しろ』


エースとローはそういって















「お前の家行くまえにコンビニよろうぜ」

「さんせーい!」

「待って私以行かないてか行きたくない
そして小・中学校の頃のアルバムといって!!」

「あ?」

「名無しさんは絶対いるだろ。
あ別にローは忙しいなら来なくていいぜ」

「消すぞエース。
それに俺たちが持ってる写真なんて名無しさんしかねーよ」

「え、それはきもいよ」

「エース、片手塞げ」

「やってる」

「しまった!」








『出会った頃から好きだした』




たったそれだけの文

それだけでも嬉しすぎて今でも保存している





腕を拘束されれば身動きなど出来ない


この状態で起こる事と言えば



ほっぺからちゅ、と可愛い音が聞こえるのだ












『今は仲良く二人で分けてやる』

だだし



大人になれば話は別だと彼らは言った




離れてやるつもりはないと二人は言った




だからゆっくり考えて決めればいい、


そうエースとローは言った。




















(ううう早く口にしたい)
(後1年だ)
(短かったような…長かったような)
(中学の頃は地獄だったな)
(そうそう名無しさんは可愛いしなのに目が合うとそらされるし)
(ああ話しても苗字呼びだったり敬語だったよなぁ名無しさんが可愛いから許すが)
(許しちゃうよな)
(そうだな)


(どうしてこういう時だけ仲がいいの…
あとやっぱり気持ち悪いよ)


((好きだぜ))
(だああああ耳元はやめて!!!!!)
(よーし今日は恋人繋ぎだー)
(明日休みだから泊り決定な)

(もう好きにしてください)



―――――――――――――――――

エースとローの二人組というのが最近きてます
続編的なものもかいていこうかと…

主人公の気持ち悪いは3分の1照れ隠しです








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