短編

□これは成長期のせいです
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仕事が終わってメイクも落として

ご飯を食べてお風呂も入れば

疲れを癒したいかのように

ベットへと足は進んでしまう。




それは

この海賊時代でも変わりはないと思うのだ。





「お前の場合は違うよい」



なのにぴしゃんとマルコは否定する。

朝と昼に自分の出来る仕事を全力で頑張った。

晩御飯を食べれるだけいっぱい食べて

そのまま少しみんなとお話すれば



「眠くなるじゃないですかー!」


私と睡眠欲が別の生き物のように

勝手に瞼が重くなって、脳はベットを想像している。


疲れたりすれば自然と眠くなるのは当たり前。


ナースさん達もそう言っていた。



「だからよい。」


お前はそれを毎日毎時間のように言ってんじゃねーかよい。



「どこが当たり前、だよい」

少しおかしいんじゃねーか?






マジで心配されそうになったので逃げた。



そんなに言ってたかしら


確かに文字を永遠書き続ける作業は眠かったあ

銃弾や武器の数を数えるのもちょっと眠かったような

いやでも掃除や洗濯は眠くなかったし

マルコの掃除はするとこなかったから眠かったけど





もんもんと考えた。

…体動かしてなかったら眠いな。


という結果になった。




おかしいかもしれない。

マルコの暗示にさっそく引っかかった私は


エースに助けを求めた。














「エースー」

コンコンと軽めにノックをすれば「あいてるー」と声が聞こえた。

ドアを開けたけれどエースの姿がない。


「エース?」


どこにいるのか分からなくて疑問形の呼びになってしまったが、
ベットが膨らんでいて「こーこー」と声が聞こえた。

体調が悪いのだろうか
よぎった言葉が不安に変わって
そっとベットに座ってエースを見た。


「エース?」

今度は大丈夫?の呼びだ


呼べばすぽん、と布団から頭を出した
エースの目は座っていた


「眠いの?」


コクンと頷いた。
そういえば昨日エースはお父さんやサッチとお酒飲んでいた。
私は寝てしまったのでいつ終わったかは知らないが。

朝と昼の間の時間にまでエースが寝ているのだ。

きっと遅くまでやっていたに違いない。

出てきた頭をそっと撫でれば、
猫のように目を瞑って寄せてきた。

可愛いな、と思いつつ



ずんと瞼が重くなった。


いけない、と目を動かして頭を振った。

さっきマルコに言われた言葉を思い出し、目を覚まさせた。


「邪魔してごめんね」

撫でるのをやめて言えば今度はにょきっと腕が出てきた。
がしりと掴まれた私の手は、またエースの頭に。

今日は甘えんぼさんだなーと思いつつ
眠いから帰れ、と言われなかったのにホッとして撫でた。


「そういえばね」

すこし頭がボーとしてきた
それを振り払うようにエースに話しかけた。

「マルコがお前は寝すぎだ、おかしいよいって。」

エースもおかしく思う?


エースの顔を見てると一緒の顔になる


少なからずショックは受けた。

さすがにおかしいとまで言われるとは思ってなかったから。


うーとかんーとか言いながらエースは考えてくれた

嬉しくて
カクンと頭が揺れた


さすがに今のはおかしいと私も思った

さっきまでは普通だったのに
もう、やばいと思った

早く出て、仕事に戻ろう

そうすればきっと目も覚める…



「俺も」

すげー眠いんだ


するりと巻きつくエースの腕

ゆっくり引っ張られてベットから逃げれない。


「だから名無しさんはおかしくねーよ」

エースの手が私の肩をつかんで
さらに引き寄せた


「眠い?名無しさん」

眠たそうな顔でエースは笑った


「眠い。エース」

もう私の目は瞼が重くて開けられない




「こういう言葉、あるだろ」


寝る子は育つ。


「だから大丈夫だ」

エースの心音が心地よい

ぽん、ぽん、と背中を叩くエース。




「ありがとう。エース」








二人そろって同じ夢を見た。


マルコが飛んでて

エースとなんとかして気づいてもらおうと

追いかけたり
いろんな物投げたり
南国果実の不死鳥やろうと言ったり

すっごく楽しくて

するとマルコが急接近してきて







「それでさ…ぷふ!」


騒がしい食堂でエースはサッチに話した。

口にいっぱい食べ物が入っているのに元気に話すエースについ関心してしまう。


「ごちそう様でした」

ぱちんと両手をあわせて私は晩御飯を終了させた。

みんなと話そうにも、我慢の限界なのだ


「あ、俺も!ごちそーさん!!」

ごっくんと音が隣から聞こえて

そのままエースは自然の流れのようによいしょと私を担いだ



「じゃ!おやすみ!」

ニカッと笑うエースと一緒にひらひらと手を振った


「は…?まだ9時だぜ…?」

コイツは何を言っているんだというようにサッチは驚いていた。



「昼寝してたらよ、1時間もしねーうちにマルコに起こされてさ!
それから一睡もしてねーんだ!」

だから!というエースにコクリと私も頷いた


眠いのでもう喋りたくもない



言うが早い担いだまま早歩きで食堂を出るエース。


「寝るのは早いんじゃねーか!?」

と茶化されながら言われても

エースは笑顔で






「俺たちは成長期だからな!!!!!」





捨て台詞のように言い、食堂を抜けた。













「もう夜だから、誰にも起こされずにいっぱい寝れるな!」

私の足をぎゅっと抱きながらエースは言った


「うん」

とだけ返した。




























(んで朝の9時まで寝てたぜ)
(〜っ!あんの馬鹿ども…)
(それで今は?)
(…甲板で大の字で寝てるよい)
(こりゃあ俺達より大きく育ちそうだな)
(…)
(ま、マルコ?なんで不死鳥…)

(俺のくちばしがどれほど痛いか…トラウマにしてくるよい)

(正夢にさせるのか…)









―――――――――――――――――

実際私は祖母に言われました





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