短編

□今日も健康体で安心です
1ページ/1ページ










ピピピ、ピピピ、ピピピ…


規則正しいリズムの音で目を覚ました。
窮屈な場所から腕を伸ばし音を止めた。

目は開くが正直まだ眠い
しかしこのまま二度目を決め込むと
少々厄介な事が起きる。

「おはようございます…」

まず、彼を起こさなければ。





「起きてください…キャプテン」

くびれあたりに腕を巻きつけ
顔をぴったり私の胸にくっつけて眠る彼は

我らがハートの海賊団船長のローさんだ。


彼は服を着ていない。
というか彼はなぜか寝ながら服を脱ぐ。無意識で。
おかしいけれど無意識だとキャプテンは言い張る

そして私の服も脱がす。
ここあたりは多分寝ぼけながら確実に脱がしてる


なので毎日私たちは全裸で起きます

やらしいことはしてないよ。



そろそろ起きてもらわなきゃ本当に困る。

肩をゆさゆさ揺らせばくぐもった声が聞こえた



「起きてくださいキャプテン。朝ですよ」

「…起きねぇ」

「なんつー我が儘を…おいこらちょっと!」


低血圧だとか寝不足だとか
いつも屁理屈言いながら起きようとしないキャプテン。


黙れと言うように彼は抱きしめる力を強めて
さらに胸に顔を押し付けてきた

こ、こいつ…




ちなみに付き合ってはいない。

好きだとも言ってないし言われてない。

でも呼べば甘えれば縋れば彼は、

優しく答えてくれる


お互い今の関係に満足している


ペンギンはそれを付き合うというが
キャプテンは極度のツンデレなので違うと否定した。




こうして黙っていれば彼はとても可愛い。


寝癖のついている髪を撫で直せば彼は何か呟いていた





あ、やばい






「29、30、31…心音異常なし、」


ゆっくり体を起こし私の腕に手を滑らせ手を絡めた

覆いかぶさるように彼は動いて空いている片手は頬に触れた

少し顔を傾けて私を凝視する彼の瞳はまだ半分も開いていない


距離が0に突入したと同時にぬるりと柔らかいものが侵入してくる




厄介な事が一つ発動した。




形を味を温度を確かめるように動く舌に思考回路が落ちていく感じがした。

腕や太もも、首や脇などを触り止まって、また動く。

必然と体は反応するし、息苦しくなれば吐息や声も出る



私がのぼせるころに彼はやっと目を覚ます。










「体温ともに体調にも異状なし。至って健康。」

さっさと離れれば糸なんて繋がらないのに見せつける彼はもう完全に起きている。


「どうした?随分と大人しいじゃねぇか。」

分かってて彼は問いかける

壊れないように優しく両手で頬を撫でられればもう、


両手に触れて滑り上りキャプテンの顔に触れる


「…キャプテン、」
「名無しさん。」
「…っ、ロー…」

「どうした」


朝っぱらから激しい健康診断ありがとうございます


また近づく距離



「キャプテーン!!名無しさんー!!!朝だよっーーーー!!!」

ゴンゴンバァーーン!とノック即開く行動を取るくま。いつものことである。



厄介なこと二つ目発動。


「はわわ!!またお邪魔しちゃったごめんなさいキャプテン何も見てないから、
ごゆっくり!!!!!」

バッターーンと閉めるのいつも。この後白クマは女子のように全クルーに言いふらすのである。

(キャプテンと名無しさんは今交尾中だよ!!!)

彼なりに邪魔をしないように
確認しに来て昼まで船長室に誰も近づけないようにするためらしい。

ありがた迷惑とは実にこのこと。



「よし。」

「なにがよしですかバカロー」


始めるか、とも言いたげに跨ってくるキャプテンを押すがもちろんびくともしません


「いつものことだろ?」


何を今更。

笑いながら首元にキスを送るキャプテン

駄目だスイッチ入ってるよ


「安心しろ、軽めにしといてやる」


いつもそういって気絶させる彼の言葉など軽く無視して

首に腕を回した。


















―――――――――――――――

ぐっすり寝てからスッキリしたい派ローさん

白クマさんはこうすればキャプテン上機嫌になるのを知ってて毎朝頑張ってます






[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ