番犬だって捨て犬だって犬は犬だ!

□番犬だって捨て犬だって犬は犬だ!
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2人で店の前の椅子に座る。

「あら銀さん。久しぶりねぇ〜」

中から見慣れた人が出てきた。

このだんご屋の女将だ。

「あぁ。」

「もぉ、今日もさえないわねぇ。で、だんご食べるんだろぉ?」

女将はニッコリと笑う。

「どぉすっかなぁ。」

両手を後頭部にそっとのせ空を見る。

「なんだい、なんだい。ひやかしなら帰ってもらおうかぁ?」

女将は声に怒りを混ぜているが

顔は笑っている。

「さ、坂田氏ィ〜」

怯えた様な情けないトッシーの声。

「うわっはははははは!!」

「あはははははははは!!!」

俺も女将もほぼ同時に笑いだす。

「えっ!!?」

1人目を見開いてるトッシー

まぁ、

見開いてっかは、

グラサン外さなくちゃ見えねぇが

そんな感じの反応。

「ほんっとに面白いねぇ〜冗談ってのわぁ〜」

腹を抱えながら女将が言った。

「だろぉ〜」

俺はトッシーの頭をクシャクシャと撫でた。

ん?

何だろう。

この懐かしくて儚い感じ

なぜ…?

「坂田氏ィ〜やめるでござるよぉ〜」

俺の考えを遮るように頭の中で響く、

照れたように甘いトッシーの声。

「ははっ、わりぃ─」

頭から手を離そうとしたとき、

何故か離したくないと思った。

「やだねぇ〜、男同士でイチャイチャとwwもぉ、おばちゃん羨ましいわぁ〜」

女将の何気ない冗談。

2人して笑って流す。

「だんご10本!」

俺が女将に向かって言う。

「銀さん10本ねっ!で、隣の大人しいお侍さんは?」

「に、2本…」

「随分少ないねぇ。そんなんでいいのかい?」

「いいでござる。」

つくづく子犬みてぇだな。

その後、

だんごがきて女将と3人でまた雑談が始まった。





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