▽神楽△


あら、いらっしゃい。
ここは私、神楽の部屋。

虐められたいならおいでなさい?

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08/24(Fri) 15:08

神楽



………え?


(腕は宙へ浮いたまま完全に体まで硬直してしまう。頭が追いつかず、ゆっくりゆっくりと先の状況を思い出してみるみる赤くなる)


……な、なによ。
狡い…じゃない。


(やっと解けた硬直。手で額をさすり一人赤くなって俯いた。)

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08/24(Fri) 15:41


「どうしたのですか、神楽。置いていきますよ?」

小屋の外から純が声をかける。

神楽は顔を真っ赤にしたまま外へと出る。
恥ずかしさのあまり妖力も使ってないのに火が出そうだ。

このまま純とどこまで旅をするのだろう。ふと神楽はそんな事を思った。

土蜘蛛を倒したら、その後どうするのだろうか。

……土蜘蛛を倒したら、もう純との旅も終わってしまうのか。

神楽は急に胸の中に小さな不安が生まれた。

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08/24(Fri) 15:52
神楽



純は…私を…

(口にしそうになる言葉にハッとして口を塞いだ。なにを言ってるのか。人間と妖がずっと一緒にいられるかなどと…)


…なんでもないわ。


(目を細め地面を見つめる。とにかく、今は進まなければ)

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08/24(Fri) 16:02


神楽の脳裏に、過去の美しく、そして残酷な情景が浮かぶ。

たった一人、自分を愛してくれた人間(ひと)。

神楽はそれを振り払うかの様に純と自分の行く末が待つ、この道の先を見つめた。




……数時間後。

「……うーむ、困りましたな。」

道の先など見てるんじゃなかった、地図を見るべきだったのだ。

一人古びた地図と格闘している純の後ろで神楽は頭を抱えた。

これは所謂、「遭難」である。

どうやら次の村へと行く道を外れ、山の奥の方まで来てしまった様だった。

地図も道を外れてしまっているため、元の山道へ戻らない限り役に立たない。

つまり、今二人は「自分達がどこにいるかもわからない」のだ。

神楽が飛んでみるが一面森が広がり、元の山道がどこなのか全くわからない。

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09/03(Mon) 18:06
神楽



だめ。森しか見えない…

こんな山奥、人が通るわけもないし…これからどうすればいいのよ

(純の隣でガックリとうなだれ、瞳だけ動かして純を見る。遭難したと認めたくはないが、認めざるおえないこの状況に気力が一気に削がれてしまった。

口から大きな溜息が出る)


……あら。

(ふと、地面へと目を移すと黒い点がひとつふたつ…と増えていく。それを見て今度は木々の隙間から空を見上げた。最悪な気分だ)


雨…だわ。

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