▽神楽△


あら、いらっしゃい。
ここは私、神楽の部屋。

虐められたいならおいでなさい?

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09/20(Thu) 18:09


「実はマヨイガにはこんな言い伝えがあるのですよ」

純はニヤニヤしながら周りにある金目のものを片っ端からどこからか出してきた風呂敷に積んでいる。

「マヨイガにあるものを持ち帰ったものは必ず大金持ちになっているのです!さあ神楽も手伝いなさい!」

もはや神楽は呆れて物も言えない……と言うより完全に無視していた。



「さて、こんなもんで良いでしょう。」

風呂敷いっぱいの生活用品を積め終え、ホクホク顔の純を神楽は相変わらず白い目で見ている。


外では雨の音がどんどん激しくなっている、屋根から滝の様に落ちる雨の音が中にも響いてきた。

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09/22(Sat) 16:38
神楽



…雨、激しくなってきたわね。

(純の行動に多少呆れ、ため息を吐いた)


純、ここで雨宿りしていてもいいのよね?

(歩き疲れたせいか足を一歩踏み出すのもかなりの力がいる。
棚を背にその場に座りこみ、天井に目線を移す)

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09/24(Mon) 01:26


「構わないのではないですかね、どのみちこの雨では野宿は無理でしょう。」

純はほとんど居直り強盗である。
大量の屋敷にあった品物を詰め込んだ風呂敷を抱え上げると部屋を移す。

「とにかく、休ませてもらうとしましょう。朝から歩き通しなのでクタクタです。」


純が振り向いた時には神楽はよほど疲れていたのかすやすやと寝息を立てていた。


その夜……
神楽が目を開けると見知らぬ天井が見えた。

そうだ、自分は迷い家で眠ってしまったのだ。
神楽はあくびをしながらグッと背を伸ばそうと……


……神楽は、指一本動かせなかった。

縄をかけられている訳でも、まして土蜘蛛の糸に搦め捕られている訳でもない。


金縛り。


あの幽霊の少女に一度かけられたような金縛りにより、身体の自由を完全に奪われていた。

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09/28(Fri) 15:24
神楽



…っ……!


(声も出ない。眼球の動きさえも制御されているようだ。
…また幽霊か?
金縛りが二回目ということもあってか冷静に頭は考える)

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09/29(Sat) 04:39


身動き出来ぬまま、神楽は布団の上で必死にもがいていた。

何とか純を呼ばないと……声を出そうとしても上手く出ない。
やはり妖の空間だとわかっていた「マヨイガ」で眠りについたのは迂闊だったか、神楽は身をよじるように身体の自由を取り戻そうとするが動けない。

……と、ふいに右手があがる。

自分の意思ではない、何かに操られている。

神楽は自分の意思とは関係なく布団から起き上がると、隣で寝ている純へと手を伸ばした。

無防備に寝ている、その首元に。


神楽の顔が青ざめた。自分を操っている「何かは」このまま純を殺そうとしているのか。

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